沙耶はメニューを見た。どれも有名な産地のワインで、知識としては知っているが、飲んだことのないものばかりだ。
「ワインは詳しくないので、お任せしてもいいですか?」
匠真にお願いすると、彼は一度頷いてソムリエを見た。
「今日の料理に合いそうなものをお願いできるかな?」
「でしたら、こちらのオーガニックワインはいかがでしょうか。ブフ・ブルギニョンで使われているのと同じブルゴーニュ産です。芳醇な果実味と繊細な口当たりが特徴の赤ワインで、お料理との相性は抜群です」
「では、それを」
「かしこまりました」
ソムリエはワインリストを閉じて一礼し、テーブルを離れた。
(なるほど! ブルゴーニュの郷土料理だから、やっぱりブルゴーニュワインがぴったりなんだ)
沙耶が右手を顎に当てて考え込んでいたら、右側から視線を感じた。チラッと目を向けたら、匠真と視線が絡まる。
「きっと俺のことじゃなく、仕事のことを考えてたんだろうな」
苦笑が混じったようなその声に、沙耶はピシッと背筋を伸ばした。
「あ、ごめんなさい! 小早川さんが連れてきてくださったのに!」
「いや、いいんだ。沙耶さんを見てるのは好きだから」
「へっ!?」
彼の『好き』という言葉に驚いて変な声が出た。それが恥ずかしくて口元を隠す。
「沙耶さんがいつもお客のことを考えてくれているのが、よくわかるよ。沙耶さんのおかげでプラチナはとても居心地のいい空間になっている。ランチタイムに行くのがいつも楽しみなんだ」
「それは私じゃなくて、涼花さんやチエさんたちほかのスタッフのおかげです。みなさん優しく私を受け入れてくださって……。公園で泣いていたあの日、小早川さんが声をかけてくださったこと、本当に感謝しています」
改めて礼の言葉を伝えたとき、ソムリエがワインボトルを運んできた。
ソムリエが匠真にラベルを見せて、匠真が頷いた。ソムリエはコルク栓を開けて、抜いたコルクのにおいを嗅ぐ。そうしてワインに問題がないことを確認し、匠真のグラスに少量注いだ。
匠真は慣れた手つきでグラスを持ち上げた。落とした照明の下、彼がテイスティングをする様子は、映画のワンシーンのようにさまになっている。
(小早川さんはこういうレストランも慣れてるんだなぁ)
沙耶が見守っていたら、匠真がソムリエに頷いた。ソムリエは沙耶のグラスにもワインを注いでテーブルを離れた。
「ワインは詳しくないので、お任せしてもいいですか?」
匠真にお願いすると、彼は一度頷いてソムリエを見た。
「今日の料理に合いそうなものをお願いできるかな?」
「でしたら、こちらのオーガニックワインはいかがでしょうか。ブフ・ブルギニョンで使われているのと同じブルゴーニュ産です。芳醇な果実味と繊細な口当たりが特徴の赤ワインで、お料理との相性は抜群です」
「では、それを」
「かしこまりました」
ソムリエはワインリストを閉じて一礼し、テーブルを離れた。
(なるほど! ブルゴーニュの郷土料理だから、やっぱりブルゴーニュワインがぴったりなんだ)
沙耶が右手を顎に当てて考え込んでいたら、右側から視線を感じた。チラッと目を向けたら、匠真と視線が絡まる。
「きっと俺のことじゃなく、仕事のことを考えてたんだろうな」
苦笑が混じったようなその声に、沙耶はピシッと背筋を伸ばした。
「あ、ごめんなさい! 小早川さんが連れてきてくださったのに!」
「いや、いいんだ。沙耶さんを見てるのは好きだから」
「へっ!?」
彼の『好き』という言葉に驚いて変な声が出た。それが恥ずかしくて口元を隠す。
「沙耶さんがいつもお客のことを考えてくれているのが、よくわかるよ。沙耶さんのおかげでプラチナはとても居心地のいい空間になっている。ランチタイムに行くのがいつも楽しみなんだ」
「それは私じゃなくて、涼花さんやチエさんたちほかのスタッフのおかげです。みなさん優しく私を受け入れてくださって……。公園で泣いていたあの日、小早川さんが声をかけてくださったこと、本当に感謝しています」
改めて礼の言葉を伝えたとき、ソムリエがワインボトルを運んできた。
ソムリエが匠真にラベルを見せて、匠真が頷いた。ソムリエはコルク栓を開けて、抜いたコルクのにおいを嗅ぐ。そうしてワインに問題がないことを確認し、匠真のグラスに少量注いだ。
匠真は慣れた手つきでグラスを持ち上げた。落とした照明の下、彼がテイスティングをする様子は、映画のワンシーンのようにさまになっている。
(小早川さんはこういうレストランも慣れてるんだなぁ)
沙耶が見守っていたら、匠真がソムリエに頷いた。ソムリエは沙耶のグラスにもワインを注いでテーブルを離れた。

