「実は楽しみすぎて、ちょっと早く来すぎてしまったんです」
「そうだったのか。だが、俺もとても楽しみにしてたよ」
匠真は沙耶を誘うとき、『俺の気分転換に付き合ってほしいんだ』と言っていた。けれど、本当は沙耶を気遣って誘ってくれたのだとわかっている。
(小早川さんにも楽しんでほしい)
沙耶が匠真に並ぶと、彼は目を細めて沙耶を見た。
「そのワンピース、よく似合ってる」
「あ、りがとうございます。小早川さんもとてもステキです」
匠真の誉め言葉に照れながらも、どうにかそう言った。
「ありがとう。実はレストランに行く前に、沙耶さんを連れていきたいところがあるんだ」
匠真は片方の口角をわずかに上げた。なにか企んでいるかのような表情だ。
「どこですか?」
「秘密。といっても、すぐにわかるけど」
匠真は沙耶をエレベーターではなくエスカレーターに促した。彼と並んでエスカレーターに乗り、二階で降りる。降りてすぐのところにフォトスタジオがあり、匠真は沙耶をその隣にあるヘアメイクサロンに案内した。
「ここですか?」
「ああ。いつもおいしい料理を作ってくれる沙耶さんに、お礼がしたいんだ。ぜひリラックスしてきてほしい」
沙耶は驚いて足を止めた。
「そんな。お代はいつもきちんといただいてるのに」
「俺はいつもそれ以上のものを君からもらっている」
匠真はエスコートするように沙耶の腰にそっと手を添えた。布越しに伝わってくる彼の温もりに、ドキドキして体温が上がる。
匠真に促されるままサロンの中へ足を踏み入れた。受付カウンターの向こうにスタイリッシュな白い制服を着た女性がいて、匠真が名前を告げると、女性は上品に微笑んだ。
「代田さまですね、お待ちしておりました」
「行っておいで」
匠真が軽く沙耶の背中を押した。沙耶は感謝の気持ちで胸を熱くしながら、彼に礼を言う。
「ありがとうございます」
匠真が軽くうなずいた。
「どうぞこちらへ」
受付の女性は沙耶をサロンの奥にある小部屋に案内した。そこは美容室の個室のようになっていて、沙耶はゆったりした椅子に腰を下ろした。目の前の壁には大きな鏡があり、隅のシェルフに置かれたアロマディフューザーから、柑橘系の爽やかな香りがほのかに漂ってくる。
「そうだったのか。だが、俺もとても楽しみにしてたよ」
匠真は沙耶を誘うとき、『俺の気分転換に付き合ってほしいんだ』と言っていた。けれど、本当は沙耶を気遣って誘ってくれたのだとわかっている。
(小早川さんにも楽しんでほしい)
沙耶が匠真に並ぶと、彼は目を細めて沙耶を見た。
「そのワンピース、よく似合ってる」
「あ、りがとうございます。小早川さんもとてもステキです」
匠真の誉め言葉に照れながらも、どうにかそう言った。
「ありがとう。実はレストランに行く前に、沙耶さんを連れていきたいところがあるんだ」
匠真は片方の口角をわずかに上げた。なにか企んでいるかのような表情だ。
「どこですか?」
「秘密。といっても、すぐにわかるけど」
匠真は沙耶をエレベーターではなくエスカレーターに促した。彼と並んでエスカレーターに乗り、二階で降りる。降りてすぐのところにフォトスタジオがあり、匠真は沙耶をその隣にあるヘアメイクサロンに案内した。
「ここですか?」
「ああ。いつもおいしい料理を作ってくれる沙耶さんに、お礼がしたいんだ。ぜひリラックスしてきてほしい」
沙耶は驚いて足を止めた。
「そんな。お代はいつもきちんといただいてるのに」
「俺はいつもそれ以上のものを君からもらっている」
匠真はエスコートするように沙耶の腰にそっと手を添えた。布越しに伝わってくる彼の温もりに、ドキドキして体温が上がる。
匠真に促されるままサロンの中へ足を踏み入れた。受付カウンターの向こうにスタイリッシュな白い制服を着た女性がいて、匠真が名前を告げると、女性は上品に微笑んだ。
「代田さまですね、お待ちしておりました」
「行っておいで」
匠真が軽く沙耶の背中を押した。沙耶は感謝の気持ちで胸を熱くしながら、彼に礼を言う。
「ありがとうございます」
匠真が軽くうなずいた。
「どうぞこちらへ」
受付の女性は沙耶をサロンの奥にある小部屋に案内した。そこは美容室の個室のようになっていて、沙耶はゆったりした椅子に腰を下ろした。目の前の壁には大きな鏡があり、隅のシェルフに置かれたアロマディフューザーから、柑橘系の爽やかな香りがほのかに漂ってくる。

