「自分で言うのはちょっと恥ずかしいんですけど、今日のロールキャベツ、とてもおいしくできたと思うんです。だから、ひとりでも多くのお客さまに食べてほしくて」
沙耶の表情を見て、匠真は右手を口元に当てた。
「ほんとに沙耶さんって」
「なんですか?」
沙耶は匠真を見た。ふっと目をそらした彼は、頬骨の辺りがほんのりと染まっている。
「かわいい」
匠真がボソッとつぶやき、沙耶の鼓動が大きく跳ねた。
「ええっ」
「いつも一生懸命に人のことばかり考えて。本当にかわいい」
匠真が沙耶にチラリと視線を向けた。そのまなざしに強い光が宿っていて、沙耶の頬が熱を持った。一瞬、言葉どおりに受け取りそうになって、ハッとする。
(私、省吾くんに『沙耶は地味でまじめすぎ』るって言われたんだった。『頬なんかぶくぶくで』『みっともない』って)
そう思って気がついた。匠真はさっきからずっと沙耶を気遣ってくれていた。『かわいい』という言葉も、沙耶を励ますためのものだろう。
(それなのに、勘違いしちゃダメ)
沙耶はどうにか気持ちを落ち着かせようと深呼吸をした。それから、できるだけ礼儀正しく微笑む。
「励ましてくださってありがとうございます。でも、無理はしないでくださいね」
「無理って?」
匠真がわずかに眉を寄せた。
「その、私……頬だってぶくぶくだし、みっともないですし」
「そんなわけないだろう」
沙耶は情けない気持ちになって、曖昧な笑みを浮かべた。匠真の眉間のしわが深くなる。
「誰かにそう言われたのか?」
「実は元カレに……」
沙耶は口の中でもごもごと答えた。匠真が腹立たしげに息を吐く。
「君を傷つけるなんて許せないな」
匠真はそうつぶやいた後、なにか考え込むような表情でロールパンを口に入れた。
(せっかくのランチタイムなのに、小早川さんにつまらない話をしちゃった。申し訳なかったな……)
沙耶が肩を落としたとき、チエがサンドイッチセットを運んできた。
「シロちゃん、お待ちどおさま」
「ありがとうございます。いただきます」
沙耶は気落ちしたままパンを手に取った。卵サンドをひと口かじってもぐもぐする。
沙耶の表情を見て、匠真は右手を口元に当てた。
「ほんとに沙耶さんって」
「なんですか?」
沙耶は匠真を見た。ふっと目をそらした彼は、頬骨の辺りがほんのりと染まっている。
「かわいい」
匠真がボソッとつぶやき、沙耶の鼓動が大きく跳ねた。
「ええっ」
「いつも一生懸命に人のことばかり考えて。本当にかわいい」
匠真が沙耶にチラリと視線を向けた。そのまなざしに強い光が宿っていて、沙耶の頬が熱を持った。一瞬、言葉どおりに受け取りそうになって、ハッとする。
(私、省吾くんに『沙耶は地味でまじめすぎ』るって言われたんだった。『頬なんかぶくぶくで』『みっともない』って)
そう思って気がついた。匠真はさっきからずっと沙耶を気遣ってくれていた。『かわいい』という言葉も、沙耶を励ますためのものだろう。
(それなのに、勘違いしちゃダメ)
沙耶はどうにか気持ちを落ち着かせようと深呼吸をした。それから、できるだけ礼儀正しく微笑む。
「励ましてくださってありがとうございます。でも、無理はしないでくださいね」
「無理って?」
匠真がわずかに眉を寄せた。
「その、私……頬だってぶくぶくだし、みっともないですし」
「そんなわけないだろう」
沙耶は情けない気持ちになって、曖昧な笑みを浮かべた。匠真の眉間のしわが深くなる。
「誰かにそう言われたのか?」
「実は元カレに……」
沙耶は口の中でもごもごと答えた。匠真が腹立たしげに息を吐く。
「君を傷つけるなんて許せないな」
匠真はそうつぶやいた後、なにか考え込むような表情でロールパンを口に入れた。
(せっかくのランチタイムなのに、小早川さんにつまらない話をしちゃった。申し訳なかったな……)
沙耶が肩を落としたとき、チエがサンドイッチセットを運んできた。
「シロちゃん、お待ちどおさま」
「ありがとうございます。いただきます」
沙耶は気落ちしたままパンを手に取った。卵サンドをひと口かじってもぐもぐする。

