「じゃあ、あの、私、そろそろ仕事に戻るね」
「ああ、そうか。仕事中だったんだね。無理せず体に気をつけてがんばるんだぞ。会社の上司に礼を言っておいてくれ。それから、カレにもよろしくと」
「うん、お父さんこそ無理しないでゆっくりしてね」
沙耶は美咲に向き直る。
「メッセージありがとう。父をよろしくお願いします」
「来てくれてありがとう」
美咲が微笑んでうなずいた。沙耶は双子に顔を向けた。理緒は遠慮がちな笑みを浮かべ、真緒は鋭い目で沙耶を見る。
「それじゃ、また」
沙耶は小さく頭を下げて病室を出た。スライドドアを閉めてから、大きく息を吐く。
(お父さん、深刻な状態じゃなくて本当によかった)
ひとまず涼花に状況を報告しに、プラチナに戻ることにする。涼花は『今日は休んでいい』と言ってくれたが、彼女にはお世話になりっぱなしなので、どうせなら仕事も手伝いたい。
沙耶は一階に降りて病院を後にし、来た道を逆に歩いてプラチナに戻った。ドアを開けたとたん、ベルの音に気づいて涼花がキッチンから顔を出す。
「いらっしゃ、あれ、沙耶ちゃん」
「お見舞いに行かせてくださって、ありがとうございました」
涼花はカウンターを回って、沙耶に近づきながら尋ねる。
「気にしないで。それで、お父さんのご様子は?」
「思ったよりも元気そうでした。手術も無事終わって、後遺症の心配もないって言われました」
「そうなんだ! それはよかったね」
涼花が自分のことのように喜んでくれている。その彼女の優しい笑みに胸が温かくなった。
「あの、今日はもともと勤務の予定だったので、今から仕事に戻りますね」
「その気持ちはありがたいけど、今日はまだ落ち着かないだろうし、このまま休んでていいよ」
「でも」
沙耶は店内を見回した。まだ客の姿はないが、ほかにいる店員はチエひとりだ。
「遠慮しないで。困ったときはお互いさまだから」
「そうよ。沙耶ちゃんは働き者なんだから、こういうときくらい遠慮せずに休んでいいのよ」
涼花に続いてチエにも言われて、沙耶は厚意に甘えることにした。
「ありがとうございます。そうさせてもらいます」
「じゃあ、せっかく来店してくれたことだし、なにか飲む?」
「はい、秋のオリジナルハーブティーをお願いします」
「ああ、そうか。仕事中だったんだね。無理せず体に気をつけてがんばるんだぞ。会社の上司に礼を言っておいてくれ。それから、カレにもよろしくと」
「うん、お父さんこそ無理しないでゆっくりしてね」
沙耶は美咲に向き直る。
「メッセージありがとう。父をよろしくお願いします」
「来てくれてありがとう」
美咲が微笑んでうなずいた。沙耶は双子に顔を向けた。理緒は遠慮がちな笑みを浮かべ、真緒は鋭い目で沙耶を見る。
「それじゃ、また」
沙耶は小さく頭を下げて病室を出た。スライドドアを閉めてから、大きく息を吐く。
(お父さん、深刻な状態じゃなくて本当によかった)
ひとまず涼花に状況を報告しに、プラチナに戻ることにする。涼花は『今日は休んでいい』と言ってくれたが、彼女にはお世話になりっぱなしなので、どうせなら仕事も手伝いたい。
沙耶は一階に降りて病院を後にし、来た道を逆に歩いてプラチナに戻った。ドアを開けたとたん、ベルの音に気づいて涼花がキッチンから顔を出す。
「いらっしゃ、あれ、沙耶ちゃん」
「お見舞いに行かせてくださって、ありがとうございました」
涼花はカウンターを回って、沙耶に近づきながら尋ねる。
「気にしないで。それで、お父さんのご様子は?」
「思ったよりも元気そうでした。手術も無事終わって、後遺症の心配もないって言われました」
「そうなんだ! それはよかったね」
涼花が自分のことのように喜んでくれている。その彼女の優しい笑みに胸が温かくなった。
「あの、今日はもともと勤務の予定だったので、今から仕事に戻りますね」
「その気持ちはありがたいけど、今日はまだ落ち着かないだろうし、このまま休んでていいよ」
「でも」
沙耶は店内を見回した。まだ客の姿はないが、ほかにいる店員はチエひとりだ。
「遠慮しないで。困ったときはお互いさまだから」
「そうよ。沙耶ちゃんは働き者なんだから、こういうときくらい遠慮せずに休んでいいのよ」
涼花に続いてチエにも言われて、沙耶は厚意に甘えることにした。
「ありがとうございます。そうさせてもらいます」
「じゃあ、せっかく来店してくれたことだし、なにか飲む?」
「はい、秋のオリジナルハーブティーをお願いします」

