そう言ってホッと表情を緩めた沙耶の左頬に、白っぽいものがついているのに気づいた。
「だから、頬に粉がついているのか」
匠真が言うと、沙耶は「えっ」と目を丸くした。
「ほ、ほんとですか?」
沙耶は顔を染めながら右手で頬を触った。
「逆」
匠真の言葉を聞いて、沙耶の頬がさらに染まる。
「じ、実は仕上げに粉糖を振るとき、出しすぎて舞い上がっちゃったんですよね。そのときのかも」
沙耶が手の甲でごしごしと左頬を拭い、匠真は反射的に沙耶の手首を掴んだ。
「あんまりこすると赤くなる」
「あっ、そ、そうですよね」
ついに沙耶の顔が真っ赤になった。恥ずかしいのか、目まで潤んでいる。
そのもっちりした肌に引き寄せられるように、匠真はそっと彼女の頬に指先で触れた。
柔らかくて熱を持った頬から、白い粉が消える。
「きれいになった」
「す、すみません、ありがとうございました」
匠真が手を離し、沙耶ははにかんだ表情でパチパチと瞬きをした。その仕草がまた小動物を思わせる。
(……かわいい)
込み上げてくる温かな感情が顔に出そうで、匠真は右手を口元に当てた。
「ポルボロン、とてもおいしかった。普段から販売するの? テイクアウトできたらと思ったんだが」
話題が変わったことにホッとしたのか、沙耶が丸い頬を緩めて答える。
「涼花さんは三周年記念日から三日間限定って言ってたので、メニューには載らないと思います」
「それは残念だな」
匠真の言葉を聞いて、沙耶は右手を顎に当てた。
「小早川さんはクリームがあまりお好きじゃないんですよね。クリームを使わないスイーツで、ポルボロンみたいに手軽に食べられて、テイクアウト販売できそうなもの……」
彼女は視線をテーブルに落とし、真剣な表情で考え込んでしまった。
「代田さん?」
匠真が覗き込むようにすると、沙耶はハッと顔を上げた。
「あの、タルトならそんなに甘くならないと思うんです。お好きなフルーツはありますか? あっ、ナッツ系のタルトならチョコレートを使ってビターな感じに仕上がります! それか、紅茶のパウンドケーキでも、甘さ控えめにできるかも。それともコーヒーのほうがお好きですか? コーヒーのスティックケーキも食べやすそう。コーヒーや紅茶に好きな銘柄や産地はありますか?」
「だから、頬に粉がついているのか」
匠真が言うと、沙耶は「えっ」と目を丸くした。
「ほ、ほんとですか?」
沙耶は顔を染めながら右手で頬を触った。
「逆」
匠真の言葉を聞いて、沙耶の頬がさらに染まる。
「じ、実は仕上げに粉糖を振るとき、出しすぎて舞い上がっちゃったんですよね。そのときのかも」
沙耶が手の甲でごしごしと左頬を拭い、匠真は反射的に沙耶の手首を掴んだ。
「あんまりこすると赤くなる」
「あっ、そ、そうですよね」
ついに沙耶の顔が真っ赤になった。恥ずかしいのか、目まで潤んでいる。
そのもっちりした肌に引き寄せられるように、匠真はそっと彼女の頬に指先で触れた。
柔らかくて熱を持った頬から、白い粉が消える。
「きれいになった」
「す、すみません、ありがとうございました」
匠真が手を離し、沙耶ははにかんだ表情でパチパチと瞬きをした。その仕草がまた小動物を思わせる。
(……かわいい)
込み上げてくる温かな感情が顔に出そうで、匠真は右手を口元に当てた。
「ポルボロン、とてもおいしかった。普段から販売するの? テイクアウトできたらと思ったんだが」
話題が変わったことにホッとしたのか、沙耶が丸い頬を緩めて答える。
「涼花さんは三周年記念日から三日間限定って言ってたので、メニューには載らないと思います」
「それは残念だな」
匠真の言葉を聞いて、沙耶は右手を顎に当てた。
「小早川さんはクリームがあまりお好きじゃないんですよね。クリームを使わないスイーツで、ポルボロンみたいに手軽に食べられて、テイクアウト販売できそうなもの……」
彼女は視線をテーブルに落とし、真剣な表情で考え込んでしまった。
「代田さん?」
匠真が覗き込むようにすると、沙耶はハッと顔を上げた。
「あの、タルトならそんなに甘くならないと思うんです。お好きなフルーツはありますか? あっ、ナッツ系のタルトならチョコレートを使ってビターな感じに仕上がります! それか、紅茶のパウンドケーキでも、甘さ控えめにできるかも。それともコーヒーのほうがお好きですか? コーヒーのスティックケーキも食べやすそう。コーヒーや紅茶に好きな銘柄や産地はありますか?」

