「まあ、私は最初から信じてなかったんだけどね。だって、お姉ちゃんがあんなエリートドクターに本気で相手にされるなんて、どう考えてもありえないし」
そのとき、沙耶の肩にふわりと大きな手が置かれた。
「沙耶、お待たせ」
「あ、匠真さん」
ふたりの声に驚いたのか、真緒が「えっ」と振り返った。匠真が沙耶の肩を抱いているのを見て、真緒は大きく目を見開く。
「嘘」
匠真は穏やかな笑みを浮かべて真緒を見た。
「俺が忙しいせいで、妹である君にそんな心配をさせてしまったのかな。だとしたら、申し訳ない。だが、これからはそんな心配は無用だよ。沙耶さんのことは一生大切にすると約束する」
沙耶は驚いて目を丸くした。
「い、一生って、そんなの結婚の挨拶みたいじゃない!」
「みたい、じゃなくて、結婚するつもりだから、構わないだろ」
匠真は沙耶の目を覗き込んで続ける。
「沙耶だってずっと俺のそばにいるって言ってくれたじゃないか」
匠真は沙耶の耳元に唇を寄せて甘い声で言った。沙耶は頬を染める。
「言ったけど……」
「構わないだろ。妹さんにも安心してもらえる」
匠真は真緒に視線を送った。驚愕の表情のまま固まっていた真緒は、気まずいのか顔を真っ赤にして、口をもごもごと動かす。
「あ、えっと、私は別に……っていうか、そういう挨拶は妹じゃなくて、お父さんとお母さんにするものでしょ!?」
「そうだね」
匠真は相変わらず穏やかな笑みをたたえている。そんな彼を見て、真緒は唇を真一文字に結んだ。しばらくそのまま動かないので、沙耶は声をかける。
「真緒ちゃん?」
真緒の肩がビクッと跳ねた。大きく息を吸って門扉を開けて中に入り、沙耶と匠真に向き直る。
「どうぞ」
真緒は気まずさの残る顔でぶっきらぼうに言って、背を向けて玄関に向かった。
「ありがとう」
沙耶と匠真の礼の言葉を背中で聞いて、真緒は玄関のドアを開けた。
「お父さん、お母さん、あけましておめでとう。お姉ちゃんと小早川先生も来てるよ」
そのとき、沙耶の肩にふわりと大きな手が置かれた。
「沙耶、お待たせ」
「あ、匠真さん」
ふたりの声に驚いたのか、真緒が「えっ」と振り返った。匠真が沙耶の肩を抱いているのを見て、真緒は大きく目を見開く。
「嘘」
匠真は穏やかな笑みを浮かべて真緒を見た。
「俺が忙しいせいで、妹である君にそんな心配をさせてしまったのかな。だとしたら、申し訳ない。だが、これからはそんな心配は無用だよ。沙耶さんのことは一生大切にすると約束する」
沙耶は驚いて目を丸くした。
「い、一生って、そんなの結婚の挨拶みたいじゃない!」
「みたい、じゃなくて、結婚するつもりだから、構わないだろ」
匠真は沙耶の目を覗き込んで続ける。
「沙耶だってずっと俺のそばにいるって言ってくれたじゃないか」
匠真は沙耶の耳元に唇を寄せて甘い声で言った。沙耶は頬を染める。
「言ったけど……」
「構わないだろ。妹さんにも安心してもらえる」
匠真は真緒に視線を送った。驚愕の表情のまま固まっていた真緒は、気まずいのか顔を真っ赤にして、口をもごもごと動かす。
「あ、えっと、私は別に……っていうか、そういう挨拶は妹じゃなくて、お父さんとお母さんにするものでしょ!?」
「そうだね」
匠真は相変わらず穏やかな笑みをたたえている。そんな彼を見て、真緒は唇を真一文字に結んだ。しばらくそのまま動かないので、沙耶は声をかける。
「真緒ちゃん?」
真緒の肩がビクッと跳ねた。大きく息を吸って門扉を開けて中に入り、沙耶と匠真に向き直る。
「どうぞ」
真緒は気まずさの残る顔でぶっきらぼうに言って、背を向けて玄関に向かった。
「ありがとう」
沙耶と匠真の礼の言葉を背中で聞いて、真緒は玄関のドアを開けた。
「お父さん、お母さん、あけましておめでとう。お姉ちゃんと小早川先生も来てるよ」

