「そんなことがあったんですか」
「ああ。それなのに、最近母さんが俺と結婚して病院を支えてほしいと山根さんに言ったらしくて、彼女に困っていると相談された。だから、俺も心に決めた人がいるから、母さんときちんと話をつけるよ、と答えたんだ」
匠真はシートベルトを外して沙耶に向き直る。
「沙耶、好きだよ。ほかの誰かの言葉じゃなく、俺の言葉を信じてほしい」
「本当に、私でいいんですか?」
匠真は沙耶の両手を持ち上げて、大きな手で包み込んだ。その温かさが、不安な心をじわじわと温めていく。
「俺が一緒にいたいのは沙耶だけだ。沙耶しか欲しくない」
匠真が沙耶の手を持ち上げて、指先に軽くキスをした。彼への想いに押されるように、沙耶は言葉を紡ぐ。
「わ、私も! 私も匠真さんが好きです。匠真さんとずっと一緒にいたいですっ」
匠真が嬉しそうに頬を緩めた。
「おいしい料理や優しい気遣いで人の心を元気にする沙耶をすごいと思うよ。前にも言ったけど、俺は沙耶のそばが一番安らげるんだ」
「私も匠真さんのそばが一番安心できます。でも、ドキドキもします」
沙耶はそっと上目で匠真を見た。匠真の唇がゆっくりと弧を描く。
「俺もだよ」
匠真が顔を傾けてそっと唇を重ねた。温かな唇が押しつけられた後、ゆっくりと離れる。
匠真は沙耶を見つめて大きく息を吐き、沙耶の肩に頭をうずめた。
「沙耶に振られないか、すごく不安だった」
「ええっ!? 匠真さんが私を振るならまだしも、私が匠真さんを振るなんてありえませんよ!」
沙耶が目を丸くすると、匠真は顔を上げた。沙耶の右手を握って持ち上げ、手のひらの唇を触れさせる。
「そうかな? いつまでも敬語を使われるから、距離を置かれているようで寂しい」
匠真が横目で視線を投げた。寂しいと言いながらも色気のあるその表情。おまけに手のひらを吐息でくすぐられて、沙耶の胸がギュンとなる。
「じゃ、じゃあ、敬語を使わないように気をつけます。あ」
沙耶はハッと目を見開いた。
「寂しい」
「そ、そんなっ。ごめんなさい」
「言葉じゃ寂しさは埋まらない。沙耶からキスして」
「ああ。それなのに、最近母さんが俺と結婚して病院を支えてほしいと山根さんに言ったらしくて、彼女に困っていると相談された。だから、俺も心に決めた人がいるから、母さんときちんと話をつけるよ、と答えたんだ」
匠真はシートベルトを外して沙耶に向き直る。
「沙耶、好きだよ。ほかの誰かの言葉じゃなく、俺の言葉を信じてほしい」
「本当に、私でいいんですか?」
匠真は沙耶の両手を持ち上げて、大きな手で包み込んだ。その温かさが、不安な心をじわじわと温めていく。
「俺が一緒にいたいのは沙耶だけだ。沙耶しか欲しくない」
匠真が沙耶の手を持ち上げて、指先に軽くキスをした。彼への想いに押されるように、沙耶は言葉を紡ぐ。
「わ、私も! 私も匠真さんが好きです。匠真さんとずっと一緒にいたいですっ」
匠真が嬉しそうに頬を緩めた。
「おいしい料理や優しい気遣いで人の心を元気にする沙耶をすごいと思うよ。前にも言ったけど、俺は沙耶のそばが一番安らげるんだ」
「私も匠真さんのそばが一番安心できます。でも、ドキドキもします」
沙耶はそっと上目で匠真を見た。匠真の唇がゆっくりと弧を描く。
「俺もだよ」
匠真が顔を傾けてそっと唇を重ねた。温かな唇が押しつけられた後、ゆっくりと離れる。
匠真は沙耶を見つめて大きく息を吐き、沙耶の肩に頭をうずめた。
「沙耶に振られないか、すごく不安だった」
「ええっ!? 匠真さんが私を振るならまだしも、私が匠真さんを振るなんてありえませんよ!」
沙耶が目を丸くすると、匠真は顔を上げた。沙耶の右手を握って持ち上げ、手のひらの唇を触れさせる。
「そうかな? いつまでも敬語を使われるから、距離を置かれているようで寂しい」
匠真が横目で視線を投げた。寂しいと言いながらも色気のあるその表情。おまけに手のひらを吐息でくすぐられて、沙耶の胸がギュンとなる。
「じゃ、じゃあ、敬語を使わないように気をつけます。あ」
沙耶はハッと目を見開いた。
「寂しい」
「そ、そんなっ。ごめんなさい」
「言葉じゃ寂しさは埋まらない。沙耶からキスして」

