涼花が笑った。そこへヒーコが冗談ぽく言葉を挟む。
「入り浸る側はいいわよね~。私たちは入り浸られる側だからぁ」
すると、ノリがバツの悪そうな表情を浮かべた。
「そういう意味では私なんか年中入り浸る側ですねぇ。今年こそは妻を手伝います」
「ええっ、ノリさんは普段から奥さんを手伝ってそうなイメージなのに」
チエが驚き交じりの声を上げた。
そんなふうに他愛ないことをしゃべりながら、みんなと飲んで食べる。そのことに少し気持ちが落ち着きかけたとき、入り口のドアがノックされる音がした。
「おや、誰だろう」
ノリが怪訝そうな声を上げたが、涼花はにんまりと意味ありげな笑みを浮かべた。
「こんな時間に入り口をノックする人はひとりしかいないよ」
そう言って沙耶を見る。
「沙耶ちゃん、出てくれる?」
「出ても大丈夫ですか?」
本来ならとっくに閉店時間は過ぎているのだ。
戸惑う沙耶に、涼花が促すように言う。
「うん、大丈夫だから」
沙耶は席を立って、ドアの小窓に下ろしていたシェードをそっと持ち上げた。すると外に匠真の顔が見えて、ドキンとする。
目が合って、彼が笑顔になった。
「匠真さん、どうしたんですか?」
沙耶は鍵を開けてドアをそっと押した。
「仕事が終わったから、沙耶に電話したんだ。出ないから、もしかしたらまだ仕事中なのかと思って来てみた」
「あっ、お電話くださってたんですね! スマホをロッカーに入れたままだったので気づきませんでした。ごめんなさい」
「いいんだ。こうして沙耶に会えたから」
沙耶の背後から涼花が近づいてきた。
「匠真くん、もうちょっと早く来てくれたら、忘年会に参加できたのに~。もうすぐお開きだよ」
「忘年会をしてたのか」
匠真は店内をくるりと見てから、沙耶に視線を戻す。
「ふたりで話がしたい」
彼の真剣な表情に、沙耶の心臓がドクンと打った。
「は、はい。じゃあ、荷物を取ってきます」
沙耶は先に失礼することをみんなに詫びて、ロッカーからコートと荷物を取ってきた。
「入り浸る側はいいわよね~。私たちは入り浸られる側だからぁ」
すると、ノリがバツの悪そうな表情を浮かべた。
「そういう意味では私なんか年中入り浸る側ですねぇ。今年こそは妻を手伝います」
「ええっ、ノリさんは普段から奥さんを手伝ってそうなイメージなのに」
チエが驚き交じりの声を上げた。
そんなふうに他愛ないことをしゃべりながら、みんなと飲んで食べる。そのことに少し気持ちが落ち着きかけたとき、入り口のドアがノックされる音がした。
「おや、誰だろう」
ノリが怪訝そうな声を上げたが、涼花はにんまりと意味ありげな笑みを浮かべた。
「こんな時間に入り口をノックする人はひとりしかいないよ」
そう言って沙耶を見る。
「沙耶ちゃん、出てくれる?」
「出ても大丈夫ですか?」
本来ならとっくに閉店時間は過ぎているのだ。
戸惑う沙耶に、涼花が促すように言う。
「うん、大丈夫だから」
沙耶は席を立って、ドアの小窓に下ろしていたシェードをそっと持ち上げた。すると外に匠真の顔が見えて、ドキンとする。
目が合って、彼が笑顔になった。
「匠真さん、どうしたんですか?」
沙耶は鍵を開けてドアをそっと押した。
「仕事が終わったから、沙耶に電話したんだ。出ないから、もしかしたらまだ仕事中なのかと思って来てみた」
「あっ、お電話くださってたんですね! スマホをロッカーに入れたままだったので気づきませんでした。ごめんなさい」
「いいんだ。こうして沙耶に会えたから」
沙耶の背後から涼花が近づいてきた。
「匠真くん、もうちょっと早く来てくれたら、忘年会に参加できたのに~。もうすぐお開きだよ」
「忘年会をしてたのか」
匠真は店内をくるりと見てから、沙耶に視線を戻す。
「ふたりで話がしたい」
彼の真剣な表情に、沙耶の心臓がドクンと打った。
「は、はい。じゃあ、荷物を取ってきます」
沙耶は先に失礼することをみんなに詫びて、ロッカーからコートと荷物を取ってきた。

