残った食材でそれぞれ好きなものを作ったり、チーズや生ハムのパッケージを開けたりしたほか、出前のお寿司を頼んだ。テーブルをくっつけてごちそうを並べ、それぞれ好きなドリンクを手に持つ。
「みなさん、今年も一日ありがとうございました。みなさんのおかげで、プラチナは去年よりもお客さまが増えてにぎやかになりました。ゆっくり飲んで食べて、楽しい時間を過ごしましょう!」
涼花がスパークリングワインの入ったグラスを持ち上げた。
「完敗!」
みんなとグラスを合わせた後、沙耶は涼花と同じスパークリングワインを一口飲んだ。ほんのり甘いドリンクがのどを潤し、小さく息を吐く。
(匠真さんはきっと忙しいんだろうなぁ)
ふたりで過ごそうと約束していた日から二週間が経ったが、一度も匠真に会えていないのだ。
それは本当に忙しいからなのか。それとも研修医の女性と過ごしているから、沙耶と会わないのか。
自信がない。
「沙耶ちゃん、ぼんやりしてどうしたの?」
涼花が言って野菜スティックをポリポリとかじった。
「あ、いえ。もう年末なんて早いなぁって思ったんです」
おかわりのビールをグラスに注ぎながら、ヒーコが笑って言う。
「年を取ったら一年なんてあっという間よ。一日一日を大切にしないとね」
「年を取ったら時間が早く感じるのって、なんとかの法則とか言うのよね。この前、孫が言ってたのよ。なんだったかしら……」
アキコが話すのを聞きながら、涼花がぼそりと言う。
「確かに、経ってみれば一年ってあっという間ですね」
その寂しげな横顔は、亡くなった婚約者のことを思い出しているのだろう。
心配する沙耶の視線を感じ取ったのか、涼花は笑みを作って沙耶に小声で話しかける。
「そういや沙耶ちゃん、最近匠真くんとどう?」
「あ、それがお忙しいみたいで、実は帰国した日から会えてないんです」
「そうだったの。プラチナにもぜんぜん来てないもんねぇ。寂しいよね」
彼の忙しさを理解しているつもりではいるが、寂しさを感じないといえば嘘になる。おまけに今は凛子のことも気になるのだ。
沙耶の表情が曇ったのに気づいて、涼花は明るい声を出す。
「そうだ、お正月、実家には帰らないの?」
「年が明けてから顔を見せに行こうかなと思ってます。涼花さんは?」
「私は年末年始の休業期間、どっぷり実家に入り浸っちゃう」
「みなさん、今年も一日ありがとうございました。みなさんのおかげで、プラチナは去年よりもお客さまが増えてにぎやかになりました。ゆっくり飲んで食べて、楽しい時間を過ごしましょう!」
涼花がスパークリングワインの入ったグラスを持ち上げた。
「完敗!」
みんなとグラスを合わせた後、沙耶は涼花と同じスパークリングワインを一口飲んだ。ほんのり甘いドリンクがのどを潤し、小さく息を吐く。
(匠真さんはきっと忙しいんだろうなぁ)
ふたりで過ごそうと約束していた日から二週間が経ったが、一度も匠真に会えていないのだ。
それは本当に忙しいからなのか。それとも研修医の女性と過ごしているから、沙耶と会わないのか。
自信がない。
「沙耶ちゃん、ぼんやりしてどうしたの?」
涼花が言って野菜スティックをポリポリとかじった。
「あ、いえ。もう年末なんて早いなぁって思ったんです」
おかわりのビールをグラスに注ぎながら、ヒーコが笑って言う。
「年を取ったら一年なんてあっという間よ。一日一日を大切にしないとね」
「年を取ったら時間が早く感じるのって、なんとかの法則とか言うのよね。この前、孫が言ってたのよ。なんだったかしら……」
アキコが話すのを聞きながら、涼花がぼそりと言う。
「確かに、経ってみれば一年ってあっという間ですね」
その寂しげな横顔は、亡くなった婚約者のことを思い出しているのだろう。
心配する沙耶の視線を感じ取ったのか、涼花は笑みを作って沙耶に小声で話しかける。
「そういや沙耶ちゃん、最近匠真くんとどう?」
「あ、それがお忙しいみたいで、実は帰国した日から会えてないんです」
「そうだったの。プラチナにもぜんぜん来てないもんねぇ。寂しいよね」
彼の忙しさを理解しているつもりではいるが、寂しさを感じないといえば嘘になる。おまけに今は凛子のことも気になるのだ。
沙耶の表情が曇ったのに気づいて、涼花は明るい声を出す。
「そうだ、お正月、実家には帰らないの?」
「年が明けてから顔を見せに行こうかなと思ってます。涼花さんは?」
「私は年末年始の休業期間、どっぷり実家に入り浸っちゃう」

