誰しも皆、傷を抱えて生きている。
私だけじゃない。
不幸だと思うのは、私だけじゃない。
「ーっさん!月野レイさん!!」
「っはい」
急に名前を呼ばれ、大きな声で返事をすると周りの視線を集めている事に気づいた。
「今、授業中だけど大丈夫?」
声の主は教卓で授業を進行している先生。
「体調が悪いんじゃないの?保健室に行く?」
昨日は全く寝れなくて学校へ行く時間を迎えたので、ただの寝不足だということは分かっている。
それ以外は普通に元気だが、ここは眠らせて欲しいので。
「はい…、体調が悪いので保健室へ行ってきます…」
しおらしく、口元にハンカチを添えて教室を出た。
こういう時の「真面目な生徒」は便利だ。
「失礼しまーす」
校舎の2階に位置する保健室の扉をスライドさせる。
「……」
消毒液の匂いがほんのり香る中へ入るが誰もいない。
壁側にベッドが4つあるが、4つともカーテンは開かれており、養護教諭もいない。
ま、起きた時に言い訳すればいいか、と校庭が見える窓側のベッドに潜り込んだ。
