だって私はヒロインじゃない!

「あの量を氷雨1人でやるのは、さすがに大変だろ?」



 という、担任の先生のお節介な発言を聞き、私は身構えた。


 今日のもう1人の日直の子は、具合が悪くて早退してしまったのだ。


 いや、でも、大丈夫ですよ?


 1人で作業できるのは逆に落ち着いていいというか……。



「そうだ。青峰に手伝ってもらおうか」



 ん……? 何……? 聞き間違い……?


 というか、何で青峰君?


 青峰君が神子戸ちゃんを溺愛してるっていうの、先生も知ってるでしょ?


 知っててそういう判断になったのだとしたら……ちょっと、空気読めなさすぎるよね。


 ああ、もういい。