王子様、私はヒロインじゃありませんよ!?

 俺には、好きな人がいる。


 氷雨夕鈴。


 綺麗な黒髪に、透き通った水色の瞳。


 周りには冷たいと受け取られてしまうが、その動じない凛とした姿は、昔と変わらず美しかった。


 彼女の相手を真っ直ぐ見据える瞳が、目に見えない優しさが、ふと素が出た時のコロコロ変わる表情が、愛おしくてたまらない。


 ……が、氷雨ときたら、先程まで俺の気持ちに気づいていなかったらしい。


 俺の伝え方が悪いのか……?


 高校に入ってからは話せていなかったが、その前は……あんなにアピールしていたというのに。


 まあ、氷雨のことだ。


 それすらも忘れてしまったのかもしれない。


 とはいえ、今回しっかりと気持ちを伝えたから、これからは意識してくれることだろう。


 俺の告白に顔を真っ赤にしてあたふた焦っている姿は、正直可愛すぎた。


 あれは、さすがに、ずるいだろう。