吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

 嬉しそうに笑う白翔を見つめていると、無意識に心拍数が上がる。体温が上昇してアドレナリンが分泌される。

 今彼に流れる血がとてつもなく美味しそうで、飲みたくて、すぐにでもかぶりつきたくなる。

 深緋は口内にたまったよだれをゴクリと飲み込み、目線を下げた。

 飲みたいけど、今は我慢だ。白翔としたこの会話を、彼に忘れて欲しくない。

 深緋は俯き、「ありがとう」と呟いた。

「それから……ごめんなさい。今までずっと交わしてばかりで」
「……え」

 そっと上目遣いに白翔を見つめ、安堵する。先ほど感じた食欲は、幾らか遠のいた。少しだけ口角が上がった。

「私、白翔が好きだよ。本当に、すごくすごく、好き。こんなに好きになった人、白翔が初めてなの」

 私は“かわいそうな女の子”だ。

 これはもう受け入れるしかない運命で、揺るぎない事実。この先、白翔が居なくなるまで白翔に依存して、彼が死んだら自分も後を追う。
それが恋を知った吸血鬼に訪れる末路だから。

 白翔の姿が微かに揺らぐのを感じた。彼は眉を下げて、切なそうに深緋を見ていた。

「なんでそんな、泣きそうになって()うんだよ」
「そんな事ないよ」

 言いながら俯いてすぐ、両目から涙の粒がこぼれ落ちた。
 ふわっと彼の腕に包み込まれた。白翔の温かい体温に心底安堵する。