吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

 彼氏、なんていうのは建前だ。本当は私にエネルギーを与える餌みたいな存在なのに……。

 祖母とスグルくんのように、何もかもを白翔に打ち明けていたら……この罪悪感は消えるのだろうか。

「うん、それを聞けて安心したよ。じゃあ、帰ってよし」

 スッとソファーから立ち上がった祖母に出ることを促される。深緋も立ち上がり、白翔に続いた。

「あの。お、お邪魔しました」

 礼儀正しくお辞儀する白翔と玄関へ向かおうとすると、「ちょっと、深緋」と祖母に引き留められた。コソッと耳打ちされる。

「あの子とキスはしても良いけどそれ以上はだめだよ? 貞操はしっかり守るんだよ?」
「へ? う、うん」

 何となく恥ずかしくなって顔が火照る。冷やかしや面白がって言っている風では全くなく、祖母の表情(かお)は至って大真面目だ。

 相手が未成年だからどう、と言っているのではなく、ちゃんとした意図があるのだろう。

「わかった、ちゃんと守る」固く頷いてから玄関に向かった。

「……さっき。何があったの?」
「え?」
「その、お姉さんと……家族会議で」

 靴を履き、玄関ポーチに出たところで、白翔が振り返った。外はもう薄暗く、闇が押し寄せていた。

「なんで?」
「だって。いきなりすぎて、変じゃん。深緋と両思いになれんのは、正直言って飛び上がるほど嬉しいけど……なんか急に人が変わったみたいで、納得がいかないって言うか」