フェロモンをまともに浴びながらも、こうして耐えている男を、深緋はいまだかつて見たことがない。
白翔は彼自身の意志で、私と心を通わせたいと思ってる、そう悟った瞬間、心がぐらつくのを感じた。
「あ……」と細く掠れた声がもれた。
不意に吸血以外の欲が膨らんだ。深緋は手を伸ばし、そっと白翔の頬に触れる。そのまま顔を上げて、彼の唇にキスをしようと動いた。
「ただいま〜、って。あら二人とも。何してんの?」
ぎりぎり唇が触れる間際で、祖母の声が届いた。深緋と白翔が同時に振り返る。
居間の戸口にもたれて立ち、祖母は腕を組んでいる。若干、怒っているようにも見える。
「リリーさ、」
「お、お姉さんっ!」
状況を察して、白翔が慌てて深緋から飛び退いた。
「お楽しみのとこ悪いけど。深緋、ちょっとアタシの部屋に来な?」
「……あ、うん」
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ……っ。今の醜態は絶対に怒られる。
深緋は青ざめた顔で立ち上がり、呆然とする白翔に苦笑いを見せた。そのまま戸口に向かう。
「スグル〜、家族会議だよー。アタシの部屋においでー?」
祖母は二階に向かって、洗濯物を畳む彼を呼んだ。
「それじゃあ、お友達のキミは。そのままちょっとだけ待機ね? 逃げるんじゃないよ?」
「は、ハイ……」
妖しげな笑みを浮かべる祖母に恐れ、白翔はソファーの上で腰を抜かし、固まっていた。
白翔は彼自身の意志で、私と心を通わせたいと思ってる、そう悟った瞬間、心がぐらつくのを感じた。
「あ……」と細く掠れた声がもれた。
不意に吸血以外の欲が膨らんだ。深緋は手を伸ばし、そっと白翔の頬に触れる。そのまま顔を上げて、彼の唇にキスをしようと動いた。
「ただいま〜、って。あら二人とも。何してんの?」
ぎりぎり唇が触れる間際で、祖母の声が届いた。深緋と白翔が同時に振り返る。
居間の戸口にもたれて立ち、祖母は腕を組んでいる。若干、怒っているようにも見える。
「リリーさ、」
「お、お姉さんっ!」
状況を察して、白翔が慌てて深緋から飛び退いた。
「お楽しみのとこ悪いけど。深緋、ちょっとアタシの部屋に来な?」
「……あ、うん」
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ……っ。今の醜態は絶対に怒られる。
深緋は青ざめた顔で立ち上がり、呆然とする白翔に苦笑いを見せた。そのまま戸口に向かう。
「スグル〜、家族会議だよー。アタシの部屋においでー?」
祖母は二階に向かって、洗濯物を畳む彼を呼んだ。
「それじゃあ、お友達のキミは。そのままちょっとだけ待機ね? 逃げるんじゃないよ?」
「は、ハイ……」
妖しげな笑みを浮かべる祖母に恐れ、白翔はソファーの上で腰を抜かし、固まっていた。



