人差し指に巻いたバンドエイドから血の香りが漂い、頭がクラクラする。
目を細めた深緋を見て、白翔が顔の角度を変える。が、そこでピタリと動きを止めた。
「いいか、深緋。よく聞けよ?」
「……っな、なに、よ」
いつものように塩対応で強がりたいのに、声が震えてうまくいかない。すぐにでもかぶりついてしまいたい対象が目の前にいて、ぎりぎりの線で深緋は耐えていた。
「俺はモテる」
「……は、そんなの……っ、知ってるし」
「おまえと出会う前までなら、可愛い女子とか美人に言い寄られてもバスケ一筋で交わしてこれたんだよ。彼女なんて正直、面倒だし。まだいらねぇって思ってた」
「っ、何が言いたいの?」
それまで深緋に触れていた右手を引っ込めて、白翔は少しだけ距離を開けた。
「そう、思ってたのに。深緋じゃ無理だって言ってんの。おまえ、時々すげぇ良い匂いするし。今だって……触れたい抱きしめたいって思ってんのを必死に我慢してんだよ。深緋以外にこんな変になるの、初めてなんだよ」
白翔の言う良い匂い、とは、女吸血鬼が放つフェロモンだ。深緋たち一族は、元来生きるすべとして、男を誘う能力が身についている。吸血しやすくするために、無意識に男の欲を駆り立ててしまう。
深緋と同じく、白翔もあと一歩のところで己の欲と闘っているのだ。彼がキツそうにする理由は充分に理解できた。
目を細めた深緋を見て、白翔が顔の角度を変える。が、そこでピタリと動きを止めた。
「いいか、深緋。よく聞けよ?」
「……っな、なに、よ」
いつものように塩対応で強がりたいのに、声が震えてうまくいかない。すぐにでもかぶりついてしまいたい対象が目の前にいて、ぎりぎりの線で深緋は耐えていた。
「俺はモテる」
「……は、そんなの……っ、知ってるし」
「おまえと出会う前までなら、可愛い女子とか美人に言い寄られてもバスケ一筋で交わしてこれたんだよ。彼女なんて正直、面倒だし。まだいらねぇって思ってた」
「っ、何が言いたいの?」
それまで深緋に触れていた右手を引っ込めて、白翔は少しだけ距離を開けた。
「そう、思ってたのに。深緋じゃ無理だって言ってんの。おまえ、時々すげぇ良い匂いするし。今だって……触れたい抱きしめたいって思ってんのを必死に我慢してんだよ。深緋以外にこんな変になるの、初めてなんだよ」
白翔の言う良い匂い、とは、女吸血鬼が放つフェロモンだ。深緋たち一族は、元来生きるすべとして、男を誘う能力が身についている。吸血しやすくするために、無意識に男の欲を駆り立ててしまう。
深緋と同じく、白翔もあと一歩のところで己の欲と闘っているのだ。彼がキツそうにする理由は充分に理解できた。



