吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

「深緋にそれを謝りたかったのと。告白の返事をはっきりさせたくて、……来た」

 顔を上げた白翔とまともに目が合ってしまい、心が揺れる。大きくため息をついて取り繕った。

「そ、それはもういいよ。犬に噛まれたと思って忘れる。告白の返事はノーだよ。前にも言ったけど、私は白翔とは付き合わない、両思いにもなりたくない」

 依然戸口に突っ立ったままで、スッと玄関口を指差した。

「用件が済んだなら、早く帰って」

 彼との話し合いがこれ以上長引くと、また要らぬ言葉で傷付けてしまう、それがたまらなく嫌だった。

 お願いだから、私に関わらないで。そう思うのに、白翔に願いは通じない。

「おまえさ。いい加減、逃げんのやめろよ」
「逃げてない。て言うか、一体なにから逃げるのよ?」
俺から(・・・)だよ」

 不意に白翔が動き出し、深緋と距離を詰めた。ソファーの足元には彼のスポーツバッグが置いてある。まだ帰る意思は無いらしい。

 次に何と言うべきか、言葉に迷っていると、すぐ目の前に白翔が立っていた。

「深緋、俺のこと好きだよな? なんで認めねーの?」
「……ハハ、自意識カジョー。別に好きじゃないって学校でも言ったし」

 目を絨毯の敷かれた床に据え、深緋は数歩後ずさった。乾いた笑みが張り付き、まるで自分じゃないみたいだ。

「じゃあ何で俺の指舐めたのか聞いていい?」
「……は?」