翌朝、目を開けると寝不足でまぶたが重かった。期末考査初日だというのに最悪だ。
制服に着替え、身だしなみを整えながらため息ばかりが宙に浮かぶ。白翔と顔を合わせるのが怖い、と考えていた。
——「友達なんて口実だよ。俺はもうずっと前から、深緋のことが」
あの時。白翔の目は真剣だった。冗談なんかじゃなく、真面目に深緋と向き合い、気持ちをぶつけようとしていた。それを自分は遮った。
昨日の今日で、急に何かが変わる気配を感じたわけではない。けれど、会いたくないなと思った。今日、もしまた同じ状況が訪れたら、深緋は今のこの動揺を隠し切れる自信がなかった。
会いたくないのなら、単純に学校を休めばいい。そうは思うものの、恋をしたかもしれない異変を祖母に気取られるのも嫌だ。
「……だったら無視するしかない」
今日は一日、白翔を無視して相手にしない。そう決めてから居間へと降りた。
ぼんやりと朝食のサラダを咀嚼していると、玄関先を掃除していたスグルくんが居間に戻ってきた。
「深緋ちゃん、この間の友達が来てるよ?」
「……え」
スグルくんのあとに続いて居間に現れたのは制服姿の白翔だ。
は!?
瞬時に口の動きが止まり、思わずむせそうになる。



