「の、残ってます、帰りますっ」
「え、朝比奈?? ……と、大路? おまえら何で体育館に」
「探し物をしてたら帰れなくなっただけ」
「すみませんっ」
岡本大貴の脇を通り抜け、白翔と共に一度教室に戻ることにした。途中、体育館倉庫の隅に置いた私物の手提げを渡される。
「ごめん……ありがとう」
直接顔を見れなくて、俯いたまま荷物を受け取った。
廊下は薄暗く、時刻は六時を十分ほど過ぎていた。既に教室が施錠されていると考えて、職員室に寄ってから鞄などの荷物を取りに行く。
昇降口で靴を履き替えて、仕方なく白翔と並んで帰ることにした。
深緋は何もしゃべらなかった。白翔もさっきのことで気まずいのか、僅かに顔をしかめたままで何も話さない。
電車を降りて家に着くまで、等間隔をあけて沈黙を守っていた。
「じゃあ」と言って門扉を開けると、ポンと頭を撫でられた。
「また明日な」
去って行く白翔の背中を見つめていると、熱い鉄のような塊が、胸につかえているようで息苦しくなる。
あんなに恋を知りたいと思っていたはずなのに。長年追い求めていたハニーブラッドにようやくありつけたのに。
いざ恋が何なのかを知ってしまうと、後戻りできない不安と甘美な愛情で気が変になる。
「え、朝比奈?? ……と、大路? おまえら何で体育館に」
「探し物をしてたら帰れなくなっただけ」
「すみませんっ」
岡本大貴の脇を通り抜け、白翔と共に一度教室に戻ることにした。途中、体育館倉庫の隅に置いた私物の手提げを渡される。
「ごめん……ありがとう」
直接顔を見れなくて、俯いたまま荷物を受け取った。
廊下は薄暗く、時刻は六時を十分ほど過ぎていた。既に教室が施錠されていると考えて、職員室に寄ってから鞄などの荷物を取りに行く。
昇降口で靴を履き替えて、仕方なく白翔と並んで帰ることにした。
深緋は何もしゃべらなかった。白翔もさっきのことで気まずいのか、僅かに顔をしかめたままで何も話さない。
電車を降りて家に着くまで、等間隔をあけて沈黙を守っていた。
「じゃあ」と言って門扉を開けると、ポンと頭を撫でられた。
「また明日な」
去って行く白翔の背中を見つめていると、熱い鉄のような塊が、胸につかえているようで息苦しくなる。
あんなに恋を知りたいと思っていたはずなのに。長年追い求めていたハニーブラッドにようやくありつけたのに。
いざ恋が何なのかを知ってしまうと、後戻りできない不安と甘美な愛情で気が変になる。



