呼吸が荒くなるのが自分でもわかった。肺が上下し、心臓の脈拍が早くなる。このままではやばい。
即座に白翔の指を口から放し、俯いた。
だめだ。そろそろ牙が生える。白翔の前でさすがにそれはまずい。目の色だって、もう変わっているかもしれない。
「み、深緋? 大丈夫か? もしかして……体調わるい?」
口元をグッと手で押さえたのを心配され、白翔が顔を覗き込んでくる。「平気」と言って固く目をつぶった。
とにかく気を鎮めなければいけない。浅く呼吸を繰り返して、白翔に背を向けた。
ビクンと肩が震える。
何故そうなったのかは分からない。突然、ふわっと温かい体温に包まれた。後ろから、白翔に抱きしめられている。
「は、白翔?」
「ごめん。やっぱ無理だわ、我慢できない。指くわえるのとか、反則だから」
耳元に白翔の吐息を感じて、背筋が甘く痺れた。きゅっ、と絞られたみたいに心臓の奥が痛くなる。
「おまえ、なんなの。何で俺のこと、そんな惑わせんの?」
「まど、わせる?」
「だってそうだろ? いつも冷たくしてるかと思えば、急に距離縮めてきたりしてさ……。そんなの、だれだって夢中になるだろ?」
深緋を抱きしめる腕に力が入る。かと思えば、微かにそれは震えていた。白翔の体温を冷静に感じていると、牙が引っ込んだのかムズ痒いのがおさまっていく。
しかし、それとは別に、今度は未知なる感情が深緋を支配していた。
即座に白翔の指を口から放し、俯いた。
だめだ。そろそろ牙が生える。白翔の前でさすがにそれはまずい。目の色だって、もう変わっているかもしれない。
「み、深緋? 大丈夫か? もしかして……体調わるい?」
口元をグッと手で押さえたのを心配され、白翔が顔を覗き込んでくる。「平気」と言って固く目をつぶった。
とにかく気を鎮めなければいけない。浅く呼吸を繰り返して、白翔に背を向けた。
ビクンと肩が震える。
何故そうなったのかは分からない。突然、ふわっと温かい体温に包まれた。後ろから、白翔に抱きしめられている。
「は、白翔?」
「ごめん。やっぱ無理だわ、我慢できない。指くわえるのとか、反則だから」
耳元に白翔の吐息を感じて、背筋が甘く痺れた。きゅっ、と絞られたみたいに心臓の奥が痛くなる。
「おまえ、なんなの。何で俺のこと、そんな惑わせんの?」
「まど、わせる?」
「だってそうだろ? いつも冷たくしてるかと思えば、急に距離縮めてきたりしてさ……。そんなの、だれだって夢中になるだろ?」
深緋を抱きしめる腕に力が入る。かと思えば、微かにそれは震えていた。白翔の体温を冷静に感じていると、牙が引っ込んだのかムズ痒いのがおさまっていく。
しかし、それとは別に、今度は未知なる感情が深緋を支配していた。



