吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

 小さな顔にかかる細い髪の毛をすくいあげ、愛娘の頭をヨシヨシと撫でた。いつまでも幼いと思っていたけれど、りり子もこの冬からはお姉ちゃんだ。

 日を重ねるごとに丸く膨らんでいく深緋のお腹に耳を当て、「弟はいつ産まれてくるの?」と再三訊いてくる。


 あの日。織田に囚われた日から、一年が過ぎようとしていた。娘のりり子はランドセルの似合う小学一年生だ。

 日々の平和を積み重ね、安心で安全の毎日を送っている。

 長いまつ毛を伏せてスヤスヤと眠るりり子を見つめ、そうっとそばを離れた。お腹に負担がかからないように腰を落とし、落ちた色鉛筆を一本一本拾い上げ、出しっぱなしのぬり絵やおもちゃを片付ける。

 不意にりり子が「うーん…、」と声を上げ、深緋は慌てて小さな肩をトントンと撫でる。またスゥ、と寝息が上がった。