吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

 そして、謝罪の気持ちや後悔の念などは全くなく、自分は身勝手に自殺した母親や、家庭を壊した父親を真似て、自由に生きただけ、と書かれていた。織田がどんな家庭で育ったのかはわからない。けれども、きっと家庭環境だけが理由でああなった(・・・・・)わけではないだろう、そう思った。

 翌日。織田の起こした一連の事件がニュースで取り沙汰されていた。深緋たちは病室の小さなテレビでそれを見た。

『十二年前、四人の女性を変死させ、遺棄したと見られる四十代の男、職業会社員の織田 将吾容疑者が、昨日〇〇県警に遺体で発見され、逮捕となりました。
 織田容疑者は何らかの持病を抱えていたと見られ、五人目の被害女性への犯行途中で亡くなった模様です』

 読み上げられる原稿の途中で、深緋が監禁されていた納屋の外観が映され、続けて織田の顔写真と年齢が画面に映し出される。織田 将吾(42)とあった。

 この報道が女人谷の紫月さんの元にもいずれ届くだろう。あのドラキュラが亡くなった事を知り、深緋が上手くやり遂げたのだと安堵してもらえたらいい。そう思った。

「俺思うんだけどさ」とテレビにリモコンを向けながら白翔が言った。プツリと映像が途絶える。

「織田って……深緋の事が好きだったんだろうな」
「……え?」