だめだ。粘着力を弱めて外せそうな気もするのに、広範囲にわたって何重にも巻かれているせいか、びくともしない。
今がチャンスなのに……織田のいない今が!
視界の下半分が滲んだ。ハァ、と重い息を吐き出した。不意に織田が出て行った納屋の戸が揺れて、途端に肩が跳ね上がる。
「っえ!」
その姿を目で捉えた瞬間、深緋は涙に濡れた瞳を大きく見開いた。しっ、と唇に人差し指を当てて現れたのは白翔だ。
白翔がそろりと近づいてくる。即座に唇をきゅっと結んだ。愛する夫が助けに来てくれたのだと知って、歓喜から唇が震えた。
ことさら聴覚に優れた織田に気取られないため、深緋は込み上げる嗚咽を懸命に飲み込み、コクコクと頷いた。
白翔が険しい表情で深緋の様子を確認し、台に載ったカッターナイフでガムテープを切ってくれる。続いて椅子の背面に固定した首の縄と両足の縄も順番に切っていく。
白翔、と言って抱きつきたいのを堪えた。ドキンと鼓動が打つ。
彼の額にはうっすらと青筋が張っていた。こんなに怒った表情を見るのは初めてだった。
それまで着ていたジャケットを脱ぎ、白翔が深緋に羽織らせた。着て、と小声で囁かれ、彼の匂いに包まれる。心底ホッとするものの、よくよく考えれば下着姿だった。
今がチャンスなのに……織田のいない今が!
視界の下半分が滲んだ。ハァ、と重い息を吐き出した。不意に織田が出て行った納屋の戸が揺れて、途端に肩が跳ね上がる。
「っえ!」
その姿を目で捉えた瞬間、深緋は涙に濡れた瞳を大きく見開いた。しっ、と唇に人差し指を当てて現れたのは白翔だ。
白翔がそろりと近づいてくる。即座に唇をきゅっと結んだ。愛する夫が助けに来てくれたのだと知って、歓喜から唇が震えた。
ことさら聴覚に優れた織田に気取られないため、深緋は込み上げる嗚咽を懸命に飲み込み、コクコクと頷いた。
白翔が険しい表情で深緋の様子を確認し、台に載ったカッターナイフでガムテープを切ってくれる。続いて椅子の背面に固定した首の縄と両足の縄も順番に切っていく。
白翔、と言って抱きつきたいのを堪えた。ドキンと鼓動が打つ。
彼の額にはうっすらと青筋が張っていた。こんなに怒った表情を見るのは初めてだった。
それまで着ていたジャケットを脱ぎ、白翔が深緋に羽織らせた。着て、と小声で囁かれ、彼の匂いに包まれる。心底ホッとするものの、よくよく考えれば下着姿だった。



