「綺麗な爪だねぇ。主婦業をしているにもかかわらず、ちゃんと手入れが行き届いてる」
「……な、にを」
瞬間、嫌な予感がした。
「指先なんかの末梢神経の痛みって結構辛いよね。けど、アイスピックで刺すのと同様に、ショック死するほどじゃない。ありきたりで恥ずかしいけど、次はこの美しい爪を剥いでいく。そのあとは足の爪。それから指を一本ずつ折っていくね? 目をくり抜くのは最後」
「っや、いや!」
言葉を理解して、顔からサッと血の気が引いた。必死に腕を振り解こうと左手に力を入れるが、全く動かせない。圧倒的な力で押さえつけられている。そのまま先ほどの台に腕を置かれ、ガムテープでぐるぐる巻きにして固定された。
「どの指からいこうか?」と深緋の手に触れる。嬉々とした表情で食べ頃の果物を選ぶように、五本の中から吟味している。
「深緋ちゃんはどれがいい? 小指? 親指?」
「もう……、痛いのはっ、いや。だから」
「じゃあ親指にしようかな」
織田の手がラジオペンチを握りしめた。親指の爪にちょうど当てがったとき。彼はピタリと動きを止めて、顔を上げた。
キョロキョロと首を振り、真顔で宙空を睨んでいる。耳を澄ませているのだと思った。
「えぇ……」と不満そうな声を漏らし、織田は台の上にラジオペンチを置いた。ハァ、と嫌そうにため息を吐いている。
「……な、にを」
瞬間、嫌な予感がした。
「指先なんかの末梢神経の痛みって結構辛いよね。けど、アイスピックで刺すのと同様に、ショック死するほどじゃない。ありきたりで恥ずかしいけど、次はこの美しい爪を剥いでいく。そのあとは足の爪。それから指を一本ずつ折っていくね? 目をくり抜くのは最後」
「っや、いや!」
言葉を理解して、顔からサッと血の気が引いた。必死に腕を振り解こうと左手に力を入れるが、全く動かせない。圧倒的な力で押さえつけられている。そのまま先ほどの台に腕を置かれ、ガムテープでぐるぐる巻きにして固定された。
「どの指からいこうか?」と深緋の手に触れる。嬉々とした表情で食べ頃の果物を選ぶように、五本の中から吟味している。
「深緋ちゃんはどれがいい? 小指? 親指?」
「もう……、痛いのはっ、いや。だから」
「じゃあ親指にしようかな」
織田の手がラジオペンチを握りしめた。親指の爪にちょうど当てがったとき。彼はピタリと動きを止めて、顔を上げた。
キョロキョロと首を振り、真顔で宙空を睨んでいる。耳を澄ませているのだと思った。
「えぇ……」と不満そうな声を漏らし、織田は台の上にラジオペンチを置いた。ハァ、と嫌そうにため息を吐いている。



