吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

「そろそろ六時か」と呟き、織田は再び腕時計をポケットに仕舞った。

「……お願い、りり子のところに帰らせて?」
「だめだよ」
「お願い、命以外ならなんでもあげるからっ。なんでもするからっ!」

 さっきまで笑顔だった織田の顔つきが、突如として真顔になる。首を傾げ、うーんと何かを考える素振りを見せる。

「それも良いかもね。殺さずに生かすって言うなら……クスリを使って体の自由を奪った上でショーケースに飾るか、いや、それだと面白味に欠けるな。いっそ蝋人形にして固めるのも映えそうだけど……あれは手間がかかるしな」

 ブツブツと独りごちる彼に、深緋は「違う」と声を張り上げた。

「家族の元に、帰らせてほしい。お願いします、織田さん」
「無理だよ。キミはここで死ぬんだから」
「いやっ、じゃ、じゃあ、せめて! 殺すのだけはやめて? 帰るのは……諦める。ここにいて、なんでもする!」
「なんでもって? 例えばなにを?」

 再び織田の瞳に意欲が戻る。爛々と輝いている。なんでもいい、織田との会話を引き延ばして、できるだけ時間を稼ごう。

 今が朝の六時なら、白翔は起きている。出勤の都合上、毎朝六時前には目を覚ますのだ。