「その首から提げてるペンダント。中に入っているのは血だよね?」
「……そうです」
言いながらきゅっと唇を噛んだ。深緋は細いチェーンを通した小さな小瓶をぶら下げていた。きちんと栓をした中身は本物の血液だ。
「誰の血?」
「……白翔のもの」
「ハクトくん?」
織田がハハッと鼻で嗤う。
「あれ、知りません? 血液ペンダントですよ。いっとき流行った時期があったのを思い出して、私から白翔に提案したんです。お互いの血を交換して身につけていようって」
勿論、嘘だ。これは白翔の血ではない。そういう愛情表現をするカップルや夫婦が中にはいるかもしれないけれど。実際のところ、生の血を保存して持ち歩くのは難しいと思っている。
「まぁ聞いたことはあるけどね。俺が気になったのは別のこと。ずっと前に試験管ごしにハクトくんの血を嗅いだことがあるけど。それにしては随分かぐわしい、いい匂いがするよね」
「それは多分」と一度言葉を切った。あらかじめ考えていた言い訳を口にする。
「保存するために入れた薬剤の香りが混ざっているせいだと思います。人間になった私にはわからないけど」
「……なるほどね」
まぁいいや、と言って織田は黒いパーカーのポケットに手を突っ込んだ。
幸い没収されずには済んだけれど。同時に恐怖と緊張感から、心臓部分に異様な汗をかいた。
「……そうです」
言いながらきゅっと唇を噛んだ。深緋は細いチェーンを通した小さな小瓶をぶら下げていた。きちんと栓をした中身は本物の血液だ。
「誰の血?」
「……白翔のもの」
「ハクトくん?」
織田がハハッと鼻で嗤う。
「あれ、知りません? 血液ペンダントですよ。いっとき流行った時期があったのを思い出して、私から白翔に提案したんです。お互いの血を交換して身につけていようって」
勿論、嘘だ。これは白翔の血ではない。そういう愛情表現をするカップルや夫婦が中にはいるかもしれないけれど。実際のところ、生の血を保存して持ち歩くのは難しいと思っている。
「まぁ聞いたことはあるけどね。俺が気になったのは別のこと。ずっと前に試験管ごしにハクトくんの血を嗅いだことがあるけど。それにしては随分かぐわしい、いい匂いがするよね」
「それは多分」と一度言葉を切った。あらかじめ考えていた言い訳を口にする。
「保存するために入れた薬剤の香りが混ざっているせいだと思います。人間になった私にはわからないけど」
「……なるほどね」
まぁいいや、と言って織田は黒いパーカーのポケットに手を突っ込んだ。
幸い没収されずには済んだけれど。同時に恐怖と緊張感から、心臓部分に異様な汗をかいた。



