耳元に、落ち着いたトーンで囁かれた瞬間。意識はプツリと途切れ、闇にのまれた。深緋の白い指先からつるりとスマホが滑り落ちた。
気絶した深緋を片腕で支え、織田 将吾はクスッと美しい笑みを浮かべた。
「ようやく手に入れたよ」
動かなくなった深緋をそのまま横抱きにし、去っていく。背後には深緋のスマホだけが残された。電話を知らせる液晶画面には“大路 白翔”の名前が浮かんでいた。
*
うう、ん……。深緋は無意識に唸り声を上げていた。まだもう少し眠っていたいのに、突然尿意などで目が覚めるような感覚で、寝言のように「寒い」と呟いていた。
頭に鈍い怠さがこびり付いている。起きたくない、まだ寝ていたいと思ってしまう。
「深緋ちゃん」と心地よいトーンで名前を呼ばれる。「起きて?」と爽やかな声が言い、意識は闇から引き上げられる。
ぼんやりと霞みがかった視界の中に、美しい男性が見えた。椅子に座り、すらりと長い脚を組んでいる。その笑顔に見覚えがある。織田 将吾だ。
泥のようにへばりつく倦怠感を無理やり振り払い、深緋はハッと目を見開いた。丸い裸電球が吊るされた納屋のような場所で、織田が口元に手を添えてクスクスと笑っている。
「ごめんね、体が怠いと思うけど、吸血だけじゃ心許なくてさ。クスリを使ったんだ」
気絶した深緋を片腕で支え、織田 将吾はクスッと美しい笑みを浮かべた。
「ようやく手に入れたよ」
動かなくなった深緋をそのまま横抱きにし、去っていく。背後には深緋のスマホだけが残された。電話を知らせる液晶画面には“大路 白翔”の名前が浮かんでいた。
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うう、ん……。深緋は無意識に唸り声を上げていた。まだもう少し眠っていたいのに、突然尿意などで目が覚めるような感覚で、寝言のように「寒い」と呟いていた。
頭に鈍い怠さがこびり付いている。起きたくない、まだ寝ていたいと思ってしまう。
「深緋ちゃん」と心地よいトーンで名前を呼ばれる。「起きて?」と爽やかな声が言い、意識は闇から引き上げられる。
ぼんやりと霞みがかった視界の中に、美しい男性が見えた。椅子に座り、すらりと長い脚を組んでいる。その笑顔に見覚えがある。織田 将吾だ。
泥のようにへばりつく倦怠感を無理やり振り払い、深緋はハッと目を見開いた。丸い裸電球が吊るされた納屋のような場所で、織田が口元に手を添えてクスクスと笑っている。
「ごめんね、体が怠いと思うけど、吸血だけじゃ心許なくてさ。クスリを使ったんだ」



