手紙を持つ指先が微かに震えていた。今朝と同じリビングで、アニメに熱中する娘も、音も、部屋の温かさも変わらない。なのに、とてつもなく寒い。歯の根が合わないようになり、カタカタと鳴る。
手紙を読んでわかったことは、既に娘のりり子が人質にされているかもしれない、ということだ。じわりと目頭が熱くなり、嗚咽が漏れそうになる。咄嗟に口元を押さえた。
【人間がドラキュラの血を飲んだら】。一体どうなるというのだろう? まさか女吸血鬼と同じ作用が? そんな、馬鹿な!
深緋は手紙と封筒を掴んだまま慌てて立ち上がり、寝室へ向かった。自分の私物をまとめた三段ボックスの、上段の箱から、あの頃使っていたメモ帳を引っ張り出した。
女人谷を去った日。長の紫月さんから聞いたドラキュラの特性を急いで確認する。
人間の血と純血が混ざれば寿命が縮むこと、異能を持つこと。満月の夜は作用が強くなること。純血が増えるほど不老と化すこと。自らの死期を感知できること。死後一時間以内の血液が毒となる、ドラキュラ封じ……。
書き留めたのはそれだけで、ドラキュラの血を飲ませたらどうなるか、など全く書いていない。ドラキュラの血は混血だから、純血を摂取したときと同じ作用が現れるとは考えにくい。
手紙を読んでわかったことは、既に娘のりり子が人質にされているかもしれない、ということだ。じわりと目頭が熱くなり、嗚咽が漏れそうになる。咄嗟に口元を押さえた。
【人間がドラキュラの血を飲んだら】。一体どうなるというのだろう? まさか女吸血鬼と同じ作用が? そんな、馬鹿な!
深緋は手紙と封筒を掴んだまま慌てて立ち上がり、寝室へ向かった。自分の私物をまとめた三段ボックスの、上段の箱から、あの頃使っていたメモ帳を引っ張り出した。
女人谷を去った日。長の紫月さんから聞いたドラキュラの特性を急いで確認する。
人間の血と純血が混ざれば寿命が縮むこと、異能を持つこと。満月の夜は作用が強くなること。純血が増えるほど不老と化すこと。自らの死期を感知できること。死後一時間以内の血液が毒となる、ドラキュラ封じ……。
書き留めたのはそれだけで、ドラキュラの血を飲ませたらどうなるか、など全く書いていない。ドラキュラの血は混血だから、純血を摂取したときと同じ作用が現れるとは考えにくい。



