スマホのみならず、普段からGPS機能付きの腕時計を夫婦で身に着けている、とは口が裂けても言えない。
「しょうがないわよぉー、りりちゃんママみたいな綺麗な奥さんを持つと、ご主人はやっぱ気が気じゃないんじゃない?」
恭ちゃんママがざっくばらんな物言いをすると、あとの二人もうんうんと頷き、「それもそうねぇ」とその意見に同意する。深緋は場の空気に合わせて笑い、その場を取り繕った。
そんな取るに足らない会話を交わして、自宅へと戻った。
今夜は娘と二人きりだから、晩御飯の献立はりり子の好きなクマさんハンバーグにしようかな、と考える。午前中のうちに買い物に出た。
迎えの時間までにご飯の下ごしらえや洗濯などの家事を済ませて、再びバス停へ向かう。
だれにも脅かされることのない平和な毎日が、今日も続くのだと信じて疑わなかった。
バスから降車したりり子と手を繋ぎ、家までの帰路をお喋りしながら辿る。
ふとりり子が遠方に目を向けて、「あっ」と声を上げた。
「ママっ、この間のお兄ちゃんがいるよ!」
「この間のお兄ちゃん?」
深緋は笑みを浮かべたまま、首を傾げた。
「まえに言ったでしょー? 公園でかっこいいお兄ちゃんに会ったって」
「……ああ」
そういえばと、つい最近交わしたりり子との会話を思い出す。
「しょうがないわよぉー、りりちゃんママみたいな綺麗な奥さんを持つと、ご主人はやっぱ気が気じゃないんじゃない?」
恭ちゃんママがざっくばらんな物言いをすると、あとの二人もうんうんと頷き、「それもそうねぇ」とその意見に同意する。深緋は場の空気に合わせて笑い、その場を取り繕った。
そんな取るに足らない会話を交わして、自宅へと戻った。
今夜は娘と二人きりだから、晩御飯の献立はりり子の好きなクマさんハンバーグにしようかな、と考える。午前中のうちに買い物に出た。
迎えの時間までにご飯の下ごしらえや洗濯などの家事を済ませて、再びバス停へ向かう。
だれにも脅かされることのない平和な毎日が、今日も続くのだと信じて疑わなかった。
バスから降車したりり子と手を繋ぎ、家までの帰路をお喋りしながら辿る。
ふとりり子が遠方に目を向けて、「あっ」と声を上げた。
「ママっ、この間のお兄ちゃんがいるよ!」
「この間のお兄ちゃん?」
深緋は笑みを浮かべたまま、首を傾げた。
「まえに言ったでしょー? 公園でかっこいいお兄ちゃんに会ったって」
「……ああ」
そういえばと、つい最近交わしたりり子との会話を思い出す。



