「ちゃんとサラダも食べるのよー?」
言いながら、シンクに溜まった食器を順に片付けていくと、「えー」と文句が返ってくる。お決まりの表情でぶーたれる娘は大抵「パパ」に弱い。
「サラダを食べられるりりちゃんが大好きって、この間パパが言ってたよ? お野菜はりり子を綺麗にしてくれるからね。パパも喜ぶよ?」
ふふっ、と笑みを浮かべると、りり子は神妙な顔付きで「わかった」と返事をした。
深緋は冷蔵庫から出したトマトジュースをグラスに注ぎ、一気に飲み干した。
娘を登園させるため、バス停まで送って行く。これが毎朝のルーティンワーク。唯一違うことがあるとすれば、今朝は食卓にパパである白翔がいなかったことだ。
「ねぇ、ママー?」
「なぁに?」
「今日はパパ、かえってこないんでしょ?」
「うーん……お仕事だからねぇ」
今朝の白翔を思い出し、クスッと笑みを浮かべる。今日は一泊の研修旅行なのだが、家を出るギリギリまで「行きたくない、離れたくない」と憂鬱そうにぼやいていた。
手を繋いで歩く娘に目を向けると、しょんぼりと肩を落とし、目線は地面に張り付いていた。
「今夜はママと二人きりだけど。明日の夕方には帰って来るよ? 週末は動物園にも行くし、お利口さんで待っていようね?」
「……うん」
できるだけ明るい声で、先に控えた楽しみを挙げると、りり子は少しだけ表情を和らげ、口元に笑みを浮かべた。
言いながら、シンクに溜まった食器を順に片付けていくと、「えー」と文句が返ってくる。お決まりの表情でぶーたれる娘は大抵「パパ」に弱い。
「サラダを食べられるりりちゃんが大好きって、この間パパが言ってたよ? お野菜はりり子を綺麗にしてくれるからね。パパも喜ぶよ?」
ふふっ、と笑みを浮かべると、りり子は神妙な顔付きで「わかった」と返事をした。
深緋は冷蔵庫から出したトマトジュースをグラスに注ぎ、一気に飲み干した。
娘を登園させるため、バス停まで送って行く。これが毎朝のルーティンワーク。唯一違うことがあるとすれば、今朝は食卓にパパである白翔がいなかったことだ。
「ねぇ、ママー?」
「なぁに?」
「今日はパパ、かえってこないんでしょ?」
「うーん……お仕事だからねぇ」
今朝の白翔を思い出し、クスッと笑みを浮かべる。今日は一泊の研修旅行なのだが、家を出るギリギリまで「行きたくない、離れたくない」と憂鬱そうにぼやいていた。
手を繋いで歩く娘に目を向けると、しょんぼりと肩を落とし、目線は地面に張り付いていた。
「今夜はママと二人きりだけど。明日の夕方には帰って来るよ? 週末は動物園にも行くし、お利口さんで待っていようね?」
「……うん」
できるだけ明るい声で、先に控えた楽しみを挙げると、りり子は少しだけ表情を和らげ、口元に笑みを浮かべた。



