吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

 女性はカムイさんの怒りに慄き、既に泣き顔だった。

「そうか。ならば知り得る範囲で答えろ。ヨスガとドラキュラは何処にいる?」

「それがその」と唇を震わせ、訊かれた女性がおずおずと玄関の方に指を差した。

「ヨスガさんはドラキュラに脅されて……しょ、書庫の方に」

 ピクリと眉根を寄せ、「なるほどな」とカムイさんが独りごちた。

 どういうことだろう? いまいち状況が把握できず、深緋は眉を寄せた。カムイさんの様子から(かんが)みて、女性二人が織田を襲い、返り討ちに遭ったようだけど……。

「ミハネとユンナはいるか?」
「はい、此処に」

 深緋と白翔のそばで声が上がる。儀式に参加していた、カムイさんの側近と思しき二人だ。

「おまえたちは今すぐ門番の元へ向かえ。スズネに危害を加えられていないと良いが……ドラキュラが谷を出たかどうかだけでも確認しろ」
「御意に」
「残った女どもでヤヒロの遺体を運び出せ。我は書庫へ向かう」

 指示を受けた女性たちが一様に返事をし、すぐさま部屋の中と外に分かれて動く。カムイさんの視線がこちらへ向いた。

「おまえたちはどうする? 此処に留まるか?」

 織田と谷の女性たちの間でなにがあったのかはわからないが、知らなければいけないと思った。

「一緒に、行きます」