吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

 くるぶしほどの長さに生い茂る雑草を踏み分けて進むと、向かう先にほんのりとした明かりと、三つの人影が見えた。

 巫女装束を着たカムイさんと、板の間で控えていた二人の女性だ。

 長方形に切り取られたコンクリートの地に折り畳み式のレセプションテーブルが置かれ、真っ白い布地が掛けられている。儀式に必要な祭壇だろうか。

 その上には深緋が用意した血液や月桂樹の葉、儀式に使うと思しきキャンドルやお(ふだ)、木でできた四角い(ます)が二つ置いてあった。

 コンクリート地の前方には何かを囲むように四つの灯籠(とうろう)が立てられている。囲んでいるのは直径一メートルほどの小さな窪地であり、周りより凹んで影になっているはずなのに、底が一際明るく見えた。まるで満遍なく降り注ぐ月光を、吸収しているみたいだ。

「紫月様、お連れしました」

 言いながら案内人の女性はカムイさんに一礼をする。

 シヅキ様。そう言えば門番の女性もその名を口にしていた。(ここ)でのカムイさんの呼び名だろうか。

 カムイさんは女性を見てひとつ頷き、深緋に目を据えた。