吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

 和気あいあいと話をするような雰囲気でもないので、それぞれが黙々と晩ご飯を口に運ぶ。

 たまごサンドを頬張りながら、先ほどあった時間を思い返していた。

 板の間で、対面して座るカムイさんは、出されたお茶に口を付けた織田を見て、ほんの一瞬だが、確かに笑った。それを見たことで、何となくだが見当付けてしまった。

 白翔と織田に出されたお茶に、吸血避けの効果はない。実際、既にお茶を飲んだ白翔に対して、吸血欲が失せたかと言えば、そんな感覚は一ミリもない。

 “あれ”はおそらく、ドラキュラへの対策ではないかと考えていた。カムイさんは今夜の儀式が中断されることを懸念し、“ドラキュラ封じ”を実行したのだ。だから、笑った。

 けれど、あのお茶は一体? 白翔も同じものを飲んだはずだけど、大丈夫なんだろうか?

 確か二つある湯呑みから先に織田が選んで取り、残った方を飲んだのが白翔だった。

 色々と疑問はあるけれど、ごちそうさまと手を合わせ、トマトジュースに口を付けた。白翔と織田も食事を終えたようで、空になったプラスチックケースをビニール袋に仕舞っていた。

 バックから採血キットを取り出し、織田に声を掛けた。特別嫌がる素振りもなく、淡々と手を動かし、彼の右腕から50CCの血を抜き取った。