「わざわざ死に急ぐな。我から言えることはそれだけだ」
カムイさんは再び、傍に控えている女性に目配せをする。合図を受けた女性が立ち上がり、一度部屋を出て行った。何だろう、と首を傾げる。
そろそろ別室に通されるのかなと思うのだが、そうでもなく、暫く沈黙の時間が続いた。対面するカムイさんは微動だにせず、まるで置物か何かのようだ。
その状態でおよそ五分が過ぎた頃、カムイさんの右手がやおら動き、左手の袂から金の懐中時計を取り出した。
「儀式は十二時ちょうどになるゆえ、まだ時間に余裕がある。あらかじめ村の女たちにはお前たち男に手を出すなと命じているが、やはり猫にネズミの状態だからな。何があるかは我にも保証できぬ」
淡々と言いながら、深緋の両隣りに彼女の視線が飛んだ。
「これからおまえたちには、吸血避けを受けて貰う」
え……。
「きゅ、吸血、よけ?」
それまで黙っていた白翔が、ポカンと口を開けた。
カムイさんは肩口までスッと手を上げ、パンパンと手を打った。すると先程部屋を出て行った女性が引き戸を開け、ひとつのお盆を手に入ってきた。
「女たちに今し方、茶を煎じて貰った。これを飲むと良い」
女性は織田の側で腰を落とし、二つ有るうちの湯呑みを一つ選んで貰い、白翔の方へ回り、残った湯呑みを彼の手前に置いた。
カムイさんは再び、傍に控えている女性に目配せをする。合図を受けた女性が立ち上がり、一度部屋を出て行った。何だろう、と首を傾げる。
そろそろ別室に通されるのかなと思うのだが、そうでもなく、暫く沈黙の時間が続いた。対面するカムイさんは微動だにせず、まるで置物か何かのようだ。
その状態でおよそ五分が過ぎた頃、カムイさんの右手がやおら動き、左手の袂から金の懐中時計を取り出した。
「儀式は十二時ちょうどになるゆえ、まだ時間に余裕がある。あらかじめ村の女たちにはお前たち男に手を出すなと命じているが、やはり猫にネズミの状態だからな。何があるかは我にも保証できぬ」
淡々と言いながら、深緋の両隣りに彼女の視線が飛んだ。
「これからおまえたちには、吸血避けを受けて貰う」
え……。
「きゅ、吸血、よけ?」
それまで黙っていた白翔が、ポカンと口を開けた。
カムイさんは肩口までスッと手を上げ、パンパンと手を打った。すると先程部屋を出て行った女性が引き戸を開け、ひとつのお盆を手に入ってきた。
「女たちに今し方、茶を煎じて貰った。これを飲むと良い」
女性は織田の側で腰を落とし、二つ有るうちの湯呑みを一つ選んで貰い、白翔の方へ回り、残った湯呑みを彼の手前に置いた。



