吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

「はい。月桂樹の葉は鞄に入っていますし、人間の血は恋人の白翔から貰っています。同族のものは谷の女性から戴いても構いませんか?」
「ああ、我の血を抜いて用意しよう」

 カムイさんの血を?

「あの、ありがとうございます」
「礼には及ばぬ。儀式までの数時間、別室で待機して貰うがゆえ、そのときにドラキュラから血を抜くといい」

 そう言うとカムイさんは、側に控えた女性に目配せをした。女性はひとつ頷いて立ち上がり、背後の扉から出て行こうとする。

「あの、色々と確認しておきたいことがあってここまで同行したんですけど。今いいですか?」

 発言をしたのは織田だ。どこかのタイミングで口を挟むとは思っていた。側に立つ女性も再度座り直した。

「何だ?」

 表情ひとつ変えず、カムイさんが織田を見る。

「深緋ちゃん含め、貴女方は不老長寿なんですよね? けれど条件次第で歳を取る、その仕組みを教えてもらえますか?」

「仕組みか」と呟き、カムイさんが嘆息する。

「左様にも、我らは不老長寿で、一定の条件さえ満たせばいつまでも若い姿を保てる。吸血鬼としての成熟年齢は個々に異なり、これを上限姿と呼んでいる。我らの体は二十四時間ごとに老いを迎える仕組みとなっており、吸血を怠れば十年歳を取る」
「十年……」

 織田は目を見開き、中央に座る深緋を見つめた。