吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

 村本館の前に着くと、案内人の女性がにこやかに出迎えてくれ、三人で板張りの床に座った。客人への配慮のためか今日は座布団が敷いてある。中央に深緋、左隣に白翔、右隣に織田だ。

 一段上がった奥の上座に座るのがカムイさんで、右奥の下段に二人の女性が座っている。三人とも三十代の外見で白と紺の袴姿だ。

 織田の様子が気になって横目を向けると、彼は目を細め、上座に座るカムイさんを、まるで品定めをするかの如くジロジロと眺めていた。

「我は村長(むらおさ)のカムイだ。
 今宵(こよい)は初めて見る男も居るな。おまえがドラキュラか?」

 相変わらずの無表情でカムイさんが織田を見据えた。暗く切れ長の瞳が氷のようだ。

 一瞬だけ、織田の表情が険しくなるが「ええ、まぁ」と言いながら元の真顔に戻る。

「そう警戒しなくとも良い。ドラキュラが共に来ることは事前にミアカから聞いておる」

 眉をひょいと持ち上げ、織田にキョトンとした目を向けられる。

「そうなんだ?」
「はい、まぁ。男性同伴になるので、理由が必要だと思って」

 予約が必要だったという意味合いで伝えると、織田はそれなりに納得し、「なるほどね」と独りごちた。

「して、ミアカは其奴から血を貰ったのか?」
「……いえ。まだですが。後で必ず採血します」
「それ以外の物は用意できたな?」