吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

 ジッと彼の瞳を見つめながら、妖しく目を細めた。すると男も頬を緩め、いや、と首を振る。

「キミ、今朝同じ電車にいたでしょ?」
「え?」

 気付いていたの? そう尋ねたいのだが、虚を突かれて言葉が続かない。

「一度見たら忘れないよ。その印象的な目つき」

 そう言えば、今朝は腹のトキメキに耐えきれず、まじまじと彼を見てしまったのだ。

「気付いて、いたんですね?」
「ああ。俺のこと、ジィッと見てたでしょ?」

 男の人称が僕から俺に変わり、変に意識してしまう。

「あの。……はい、素敵だなぁ〜、と思って」

 美味しそうだなぁ、とはさすがに言えず、もじもじと両手を組んだ。

 さっきからドキドキと心拍数が上がっている。もうすぐ美味とも言える血にありつけると思うと、期待と興奮で歯が疼きそうだ。早いところ、かぶりついてしまいたい。

 爽やかイケメンの血は甘いのだろうか? それとも、少し酸味があるのだろうか? 外見の良さだけで言えば、間違いなく彼がナンバーワンだ。
 ワクワクと胸が高鳴り、深緋は一歩、男に近付いた。

「嬉しいなぁ、ミアカちゃん美人さんだから」

 ニコッと余裕そうに笑う彼を見て、いまいちこちらの魔力にかかっていないと悟る。とは言え、結局のところ、吸血できれば何の問題も無いのだ。

「あ。肩に糸くずが」