吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

 もう二度と会えないと思うと悲しみに支配されるけど、祖母の元に英くんが逢いに行ってくれるのなら、深緋の想いも報われる。それをただただ願うばかりだ。

「リリーさん、英くん……。私、頑張るからね」

 *

 それから織田への連絡も早々に済ませ、ついに女人谷へ行く当日を迎えた。今夜、零時になった時点で儀式を受ける。

 深緋は白翔と共に、三限の終わりで早退し、一度家へと帰宅した。

 ここのところ、朝晩の寒暖差を感じていたため長袖のカットソーに着替え、上から羽織るアウターやストールなどの防寒具はバックパックに詰めた。白翔から採血した血を水筒に用意して、山歩きに適した靴を履く。

 先に門扉で待っていた白翔に声を掛け、最寄駅まで徒歩で向かう。背負った荷物になにを詰めてきたのか話しながら駅で電車を待っていると、白翔が鞄をあさり、十センチサイズの十字架を見せてきた。

 吸血鬼避けに現地で身に付けると言っていたけれど、深緋自身も近付けない……と言うより、近付きたくない。

 織田との待ち合わせ時間は午後四時半で、場所は最終地点の駅だ。自然とため息が浮かぶ。

 白翔と二人きりなら多少は浮かれていられるのだが、織田を連れて行くとなれば憂鬱と不安で堪らなくなる。本音を言えばさっさとドラキュラの血をわけて貰って縁を切りたい。