「それでどうするの、深緋ちゃん。提示した条件を呑む? 呑まない?」
「……少し。考えさせてください。今すぐには決められないので」
「そ?」と短く続け、織田はグラスの水を飲み干した。
「ちなみに、その儀式っていうのはいつ受けるの?」
「次の満月の……二十九日を予定してます」
「二十九って。もう一週間切ってるじゃん。どうするの? 俺は条件変えるつもり無いけど?」
「それは……そうですけど」
まずは村長であるカムイさんの了承を得るべきだ。織田の正体が連続殺人犯だと明かした上で、入所の許可が得られるかどうか。断られる可能性の方が高そうだが、黙って連れて行くことはできない。
「遅くても、二、三日中には返事できると思います」
「そう? じゃあそれでよろしく」
結局のところ、今回も主導権を握って話すのは織田で、お願いする立場の深緋は、彼の要望を聞き入れるしかなかった。
「社会人だし、ここは俺が支払っておくよ」
織田が伝票を手に席を立った。「その代わり」と続け、深緋の耳元へ顔を寄せる。怪訝に顔をしかめて横目を向ける。
「もう少しだけ純血を貰うね?」
「……っえ」
呟くやいなや、首筋に彼の牙が刺さった。
「っおい、お前!! 深緋から離れろ!」
白翔の怒声を最後に、視界が薄く細くなる。眼前に黒い幕が下りたように、思考がプツリと途切れた。
***
「……少し。考えさせてください。今すぐには決められないので」
「そ?」と短く続け、織田はグラスの水を飲み干した。
「ちなみに、その儀式っていうのはいつ受けるの?」
「次の満月の……二十九日を予定してます」
「二十九って。もう一週間切ってるじゃん。どうするの? 俺は条件変えるつもり無いけど?」
「それは……そうですけど」
まずは村長であるカムイさんの了承を得るべきだ。織田の正体が連続殺人犯だと明かした上で、入所の許可が得られるかどうか。断られる可能性の方が高そうだが、黙って連れて行くことはできない。
「遅くても、二、三日中には返事できると思います」
「そう? じゃあそれでよろしく」
結局のところ、今回も主導権を握って話すのは織田で、お願いする立場の深緋は、彼の要望を聞き入れるしかなかった。
「社会人だし、ここは俺が支払っておくよ」
織田が伝票を手に席を立った。「その代わり」と続け、深緋の耳元へ顔を寄せる。怪訝に顔をしかめて横目を向ける。
「もう少しだけ純血を貰うね?」
「……っえ」
呟くやいなや、首筋に彼の牙が刺さった。
「っおい、お前!! 深緋から離れろ!」
白翔の怒声を最後に、視界が薄く細くなる。眼前に黒い幕が下りたように、思考がプツリと途切れた。
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