吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

「だから俺も谷まで同行する。現地へ着いたら新鮮な血を提供する、それでどう?」

 織田は穿つように深緋を見つめ、ニヤリと口角を上げて笑った。強い視線にたじろぎ、返答に困る。

 織田は一体何を考えているのだろう? 女人谷の女性からしたら男性は願ってもない獲物だ。単に好奇心旺盛だから、で行こうと思える場所ではない。

 怪訝に思い、眉を寄せた。正直なところ、織田が死のうが生きようが関係ないけれど。自分のせいで失血死するようなことがあれば後味が悪い。

 暫く無言でいると、オーダーした料理が三人分並び、それぞれが箸を付けて食べることにした。深緋と対面して座る織田はざる蕎麦定食を食べている。

 スプーンの上でパスタをフォークに巻き付けながら、織田のことを考えていた。

 ふと、先日谷へ訪れたときに聞いたカムイさんの台詞を思い出す。

 ——「純血を多く摂り入れることで、我らの持つ不老が手に入ると考えているやもしれん」

 不老。織田の狙いは正しくそれじゃないかと思った。女人谷へ同行して、そこで暮らす女性たちから吸血するのが目的だろう。なんて奴だ、と思わず顔を顰めた。条件を()んで織田を谷へ連れて行けば、女性たちに危害を加えられる。

「どうした、深緋? それ不味いの?」
「っえ、……あ。ううん。なんでもない」

 程なくして、三人ともが食事を終える。会話を始める前に水を飲んでいると、合間で店員が、空いた食器を下げてくれる。