「良かったら……私の家の近所まで、送っていただけませんか?」
「僕が、ですか?」
はい、と返事をし、深緋は赤く潤う唇を震わせた。
「勿論、ご迷惑なのは承知してますが……だめですか?」
彼は少し考える素振りを見せて、後ろにある明々としたコンビニをチラッと窺う。
「ああ………まぁ。良いですよ? この近くなんですか?」
彼が初めて見せた笑顔に、不覚にもドキッとさせられる。口角の上がり具合が絶妙で、白い歯が覗いているのが良い。さすがイケメンだ。爽やかイケメン、と豪語したくなる。
深緋は頷き、「あの角を曲がった先にあるマンションなんです」と嘘をついた。本当はもう少し先を進んだ一軒家だ。
甘いマスクの爽やかイケメンと夜道を並んで歩きながら、一応自己紹介ぐらいはしておこう、と名を名乗った。
「ミアカちゃん、へぇ……。可愛い名前だね?」
そう言って微笑んだあと、「僕は木下 ミツルといいます」となんの警戒もなく名前を教えてくれた。
木下 ミツルさんか、と心の中で復唱し、密かにほくそ笑む。
目的のマンション付近で足を止め、深緋はポケットの中のスマホを確認した。八時半まであと五分。なんとか間に合いそうだ。
直接街灯が照らさない路地で、目立たないことを念入りに確認し、木下に向き直った。
「ここまでで大丈夫です。ありがとうございました」
「僕が、ですか?」
はい、と返事をし、深緋は赤く潤う唇を震わせた。
「勿論、ご迷惑なのは承知してますが……だめですか?」
彼は少し考える素振りを見せて、後ろにある明々としたコンビニをチラッと窺う。
「ああ………まぁ。良いですよ? この近くなんですか?」
彼が初めて見せた笑顔に、不覚にもドキッとさせられる。口角の上がり具合が絶妙で、白い歯が覗いているのが良い。さすがイケメンだ。爽やかイケメン、と豪語したくなる。
深緋は頷き、「あの角を曲がった先にあるマンションなんです」と嘘をついた。本当はもう少し先を進んだ一軒家だ。
甘いマスクの爽やかイケメンと夜道を並んで歩きながら、一応自己紹介ぐらいはしておこう、と名を名乗った。
「ミアカちゃん、へぇ……。可愛い名前だね?」
そう言って微笑んだあと、「僕は木下 ミツルといいます」となんの警戒もなく名前を教えてくれた。
木下 ミツルさんか、と心の中で復唱し、密かにほくそ笑む。
目的のマンション付近で足を止め、深緋はポケットの中のスマホを確認した。八時半まであと五分。なんとか間に合いそうだ。
直接街灯が照らさない路地で、目立たないことを念入りに確認し、木下に向き直った。
「ここまでで大丈夫です。ありがとうございました」



