吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

「ならば、この間おまえの男が運び込まれた病院があるだろう? そこに死にかけの女を連れて行くといい。前もって我から口利きをしておいてやる。腹が決まったら連絡しろ」

 深緋はぱっと顔を上げ、わかりました、と返事をした。次いで、ありがとうございます、と床に手を付きお辞儀をする。「言っておくが確証は無いぞ」とカムイさんが、ややぶっきらぼうな態度でため息を落とした。

 それでも構わなかった。もしかしたら、助かるかもしれないのだ。こんなどうしようもない状況に陥ってしまったのに、吸血以外の方法で血を摂取できれば、祖母は生き残れるかもしれない。

 可能性があると聞かされて、深緋はそこに一縷の希望を見出した。打ち震える喜びで涙ぐまずにはいられない。

 持参したデイパックからメモ帳を取り出し、谷に繋がる電話番号と、紹介してもらう医者の名前を聞いてメモした。

「話は変わるが。無事にドラキュラは作れたのか?」
「え……」
「儀式はいつ受ける? 今月はあと十日ほどで満月だが。来月か?」

 深緋はメモ帳を床に置き、カムイさんの目を真摯に見つめ返した。

「ドラキュラは、見つけました」
「……ほう?」

 カムイさんは目を丸くし、幾らか感心しているように見えた。

「見つけた、と言うと語弊が有りますが。ふとした手違いで既に作っておりました」
「そうか」
「一応、血を貰う交渉も進めています。ですが……」

 そこで織田のことを考え、一抹の不安が過ぎった。