吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

「お店からお客さんを送り出す彼女を遠目に眺めてて……。そうしたらいつの間にか彼女を見るのが習慣になって。毎晩離れた場所から彼女が出て来るのをジッと待つようになった」
「それで……見てただけ? 直接リリーさんに話しかけたりはしなかったの?」
「うん、まぁ。ある程度想像がつくとは思うけど、僕は彼女と違って小汚い格好をしていたからね。
 だから数日たってから不審者扱いを受けてさ。お店で働く黒服の人とリリーさんに声を掛けられたんだ」
「えっ、それで?? それでスグルくんはどうなったの?? まさか警察行き、なんてことは……」
「うん、普通ならね。通報されてジエンド。僕も元の家に帰されると思ったんだけど。リリーさんがね、やたらと僕の顔をジッと見てきて言ったんだよ。“私の親戚の子です”って。
 なんで庇われたのかは……言わなくてもわかるよね?」
「……うん」

 吸血相手(ペット)にしようと思ったからだろう。格好がどうであれ、十七、八の若い男子だ。祖母の目から見て、きっとスグルくんの血液が美味しそうに見えたのだ。

「それからリリーさんに家出の事情とかを話して……。見ての通り、拾われることになったんだ」
「そっかぁ」

 知らず、ため息をこぼしていた。一回前の高校生活を思い返すと、当時はバイトなんかで忙しく過ごしていた。なので全く知る由もなかった。