吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

 原稿を読むニュースキャスターの声に、自然と耳を澄ませた。

『昨夜未明、〇〇県の山中で女性の遺体が発見されました。警察の調べによると、死後数日が経過していると見られ、遺体の身元については(いま)だ調査中です。なお、遺体の様子から二ヶ月前の殺害遺棄事件との関連性も含めて捜査を進めている模様です』

「物騒な世の中になったもんだねぇ」と祖母が嘆息する。

「ほんの百年ほど前には、こんなわけのわからない事件なんて、なかったよ」

 猟奇的殺人。今世間を震撼させている事件のひとつだ。

 これまでに報道された内容から、被害者は二十代の女性で、遺体は決まって人気(ひとけ)のない山中に棄てられている。両目をくり抜かれて毛髪を剃られ、裸で発見されるそうだ。

 今回の被害者で三人目となるので、警察は連続殺人事件として犯人の行方を追っている、とニュースキャスターは締めくくっていた。

 ふと帰り際の教室で聞いた会話を思い出し、続けて昇降口で見た白翔の表情が脳裏に浮かんだ。

 心配して言ってくれたのに、悪いことしたな。悲しそうに沈む彼の瞳の色に、罪悪感が顔を出す。