吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

「どうしてって、ただ単に歳を取りたくないだけ。老人は役立たずだし。ま、老いることなく生きられるのがベストなんだけどねぇ」

 その言葉を聞いて、内心でぎくっとなる。老いることなく生きられるのは女吸血鬼の代名詞だ。

「他にはないの?」
「……はい」

 血を欲することや人間()に戻れないことは、この際言わなくてもいいと判断した。

 織田は小さく嘆息し、左手に付けた腕時計を見つめた。

「俺の血を分けてもらいたい……その理由についてはじっくり聞きたいとこだけど。そろそろ帰らないと、リリーさんとスグルくんが心配するよね?」
「……っえ」
「て言うか、立ち話になっちゃってごめんね? このビルの屋上階が俺の自宅なんだけどさ。次会ったときは上がって話す? 俺、基本的には他人を上げるの嫌なんだけど。深緋ちゃんだけなら(・・・・)入っていいよ?」

 次の瞬間、「は??」と白翔が不機嫌に顔をしかめた。

「……え、遠慮、しときます」

 こんな不気味な男の領域(テリトリー)にひとりで踏み入る勇気は、さすがにない。

「そお? じゃあ次回の会合(ミーティング)はどうしよっか? こっちから時間と場所を指定しても良いならまたポストに手紙入れとくけど?」
「はい。それで大丈夫です……けど場所はファミレスとかカラオケとか。公共の場所にしてください」
「オッケー」