「だって変じゃない? ばったり道端で会ったJKに送ってくださいって頼まれたのに、次の瞬間には地面に倒れてたんだよ? そばにはアイスピックも転がってるしさぁ。俺、記憶力は割といい方なんだけど、俺の日常に起こったことで記憶がすっぽり抜けてたのって、そこしか無いんだよね。きっとあの時間になにか有ったんだって考えるのは……妥当なことだよね?」
「……まぁ。そうですね」
「で、あの辺りに住んでるJKのアサヒナミアカを探したの。名前を聞いたとこまでは覚えてたから。キミに会えばなにかわかるかもって考えて、その予感が見事に的中した」
「……え?」
一度落ち着いた恐怖心と不安が再び顔を出す。
「キミを見て確信したよ。こう、全身の血が騒ぐって言うかさ。この子は俺と同類なんだって、理屈抜きでわかっちゃったわけ。だから調べた。家族構成から交友関係、生活習慣とか色々とね。
いつか、どこかのタイミングを見て接触しようと考えて、実は今日のデートにもこっそり付いて行ったんだよ?
それから電車の中でばっちり目を合わせて、深緋ちゃんに気づいてもらおうと考えた。俺のことを覚えていたらなんらかの反応が見られると思ったから。
けど、まさか尾けてきてくれるとは思わなかったなぁ、それには充分感謝してる」
「……感謝?」
「そうだよ」と織田は平然と頷いた。そして計算し尽くされた作り笑顔で言った。
「で。キミたちの本題はここからだよね? ドラキュラの俺に近づいて、いったいなんの交渉をしたいの? 場合によってはちゃんと考えるから、言ってごらん?」
***
「……まぁ。そうですね」
「で、あの辺りに住んでるJKのアサヒナミアカを探したの。名前を聞いたとこまでは覚えてたから。キミに会えばなにかわかるかもって考えて、その予感が見事に的中した」
「……え?」
一度落ち着いた恐怖心と不安が再び顔を出す。
「キミを見て確信したよ。こう、全身の血が騒ぐって言うかさ。この子は俺と同類なんだって、理屈抜きでわかっちゃったわけ。だから調べた。家族構成から交友関係、生活習慣とか色々とね。
いつか、どこかのタイミングを見て接触しようと考えて、実は今日のデートにもこっそり付いて行ったんだよ?
それから電車の中でばっちり目を合わせて、深緋ちゃんに気づいてもらおうと考えた。俺のことを覚えていたらなんらかの反応が見られると思ったから。
けど、まさか尾けてきてくれるとは思わなかったなぁ、それには充分感謝してる」
「……感謝?」
「そうだよ」と織田は平然と頷いた。そして計算し尽くされた作り笑顔で言った。
「で。キミたちの本題はここからだよね? ドラキュラの俺に近づいて、いったいなんの交渉をしたいの? 場合によってはちゃんと考えるから、言ってごらん?」
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