吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

 とにかく今は調査が必要だ。せめて住んでいる場所だけでも特定しないと。次はいつ見かけるかわからないのだから。

 深緋は鞄に仕舞っていたスマホを取り出し、素早く祖母にラインを打った。

【ドラキュラ生成について、既に解決済みだった。だからリリーさんが動かなくても大丈夫だよ。詳しい事はまた帰ったら話す】

 同じ速度で走り続けていた電車は、やがて緩やかに減速し、ホームの定位置で止まった。

 織田がふと顔を上げ、降車する。そのまま歩き出すのを(しか)と見届けてから、深緋は白翔の手を引き、ホームへと降り立った。

 標的(ターゲット)を見失わないよう目を凝らし、織田が改札口へ向かうのを立ち止まったままで確認した。帰路を辿っているかどうかはわからないが、ここが最寄駅、なのかもしれない。

「あれ? 深緋、降りる駅間違えた?」

 降りたホームがいつもより二駅手前だったので、白翔は首を捻って周囲を確認していた。

 さっきまで乗っていた電車を既に見送ってから、ツイと目を上げて首を横に振る。

「わざとここで降りたの」
「え?」

 なんで、と呟く白翔の手を引き、ようやく改札口に向かう。

理由(わけ)は歩きながら話す。とりあえず今はあの男を尾行するから、なにも聞かずに付いてきて」
「……は?」