吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

「最初の方に戻るけど。さっき何年も生きてるとか、高校生を繰り返してるって言ったじゃん?」
「うん、言ったね」
「深緋って……一体何歳なのかなって……思って」

 異性相手に歳のことを聞くのが憚られるためか、白翔の声は尻すぼみになった。

「今年で私、五十六歳になるよ?」
「っ!? ごじゅう、ろッ!??」
「反応がウザい」
「サーセン……」

 だから子供扱いなのか、と独りごち、白翔は年下の男子らしく幾らか(かしこま)っていた。

「それじゃあ、深緋のねーちゃんも。六十手前ってことだよな……」

 信じらんねぇ、とまた呟き、眉を寄せている。

「あ。言い忘れてたけど、リリーさんはお姉ちゃんじゃなくて。実はおばあちゃんなの」
「……は?」
「私の、お母さんのお母さん。だからおばあちゃん」
「ウゾっ」
「ホント。私より百年は生きてると思うから、多分今は二百歳手前ぐらいじゃないかな?」

 白翔は口を開け、絶句していた。

「あ。くれぐれもリリーさんの前では歳の話をしないでね? 年寄り扱いしたら烈火の如く怒るから」

 笑顔で注意事項を述べると、彼はぶんぶんと首を縦に振っていた。

 なんだか愉快な気分になってきて、「ふふっ」と柄にもなく、声を出して笑ってしまう。それにつられて、白翔もゆるゆると頬を持ち上げ、「あはは」と笑い声を上げた。