吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

「私は白翔と一緒に歳を取れないし、白翔が死ぬのを見届けてから、後を追う運命なの。でも、そんなの嫌だよ、悲しすぎるもん」
「……うん」
「だからね、人間になりたいって思ったの。童話に書かれた“かわいそうな女の子”が願ったように。私も、人間に」

 不安そうな瞳はそのままに、白翔が眉をひそめた。

「……そんな方法が?」
「あるには有る。女人の谷へ行ったのは、その方法を教えて貰うためだったの」

 白翔から目を逸らさずに言い切ると、彼は幾らか目を見張り、数回瞬きをした。

「そうだったんだ。……それで、収穫は?」
「うん。バッチリ。絶対条件は処女であることなんだけど、それもクリアしたから。またあの村に行って、満月の夜に儀式を受けるみたい。ただ、その前に必要なものを集めなくちゃいけないから、それに関してはまた追々話すね?」
「うん、わかった」

 それまでに私も。ドラキュラの話をするべきかどうか……決めないと。

 自らの望みのために、人ひとりの人生を狂わせる。このドラキュラ生成を白翔はどう受け止めるだろう?

 醜いエゴを盾にして、だれかの寿命を半分に削る。吸血欲を植え付けて不幸にする。白翔に限ってはないと思いたいが、彼に軽蔑されるかもしれない。

 一度下げた視線をまた隣りに向けると、彼は右手の指で顎に触れ、沈黙していた。白翔なりに考えをまとめているのだと思った。