「女吸血鬼なら誰にでもその能力があんの? 昨日、あの村に行ったときは……俺、怖い以外にはなにも感じなかったよ? 別に甘い匂いもしなかったし、おばちゃんばっかだし」
「ふふっ、それは別に白翔を誘惑してたわけじゃないからだよ。まぁ熟女が好きな人なら本質を見抜かれて誘われるかもしれないけどね。
それに女人谷の女の人は数日に一度しか吸血しないんだと思う。だから若い人が少なかったの」
「んん? それどういう意味だ?」
女吸血鬼の年齢ロジックが複雑なので、深緋は端的に説明した。どれだけ年老いた外見に変化しても、血を吸うことで若返るのだと。
「なるほど。でもなんでそんなに日にちをあけるんだろ。深緋は毎日血を吸ってたんだろ?」
「うん。私は毎日の高校生活があるからね。女人谷の女性みたいに、ああやって社会と距離をおいて暮らすのは。……きっとリスクを避けるため」
「リスクって……どういうこと?」
うん、とひとつ頷いてから、それまで白翔に背負ってもらっていたバックを開けた。中から一冊の童話を取り出し、それを白翔に手渡す。
「絵本?」
白翔は目を瞬きながら本の表と裏をしげしげと眺めた。何度も何度も繰り返し読んだ絵本は、ところどころが擦り切れていて、年季の入ったものだとひと目でわかるだろう。
「ふふっ、それは別に白翔を誘惑してたわけじゃないからだよ。まぁ熟女が好きな人なら本質を見抜かれて誘われるかもしれないけどね。
それに女人谷の女の人は数日に一度しか吸血しないんだと思う。だから若い人が少なかったの」
「んん? それどういう意味だ?」
女吸血鬼の年齢ロジックが複雑なので、深緋は端的に説明した。どれだけ年老いた外見に変化しても、血を吸うことで若返るのだと。
「なるほど。でもなんでそんなに日にちをあけるんだろ。深緋は毎日血を吸ってたんだろ?」
「うん。私は毎日の高校生活があるからね。女人谷の女性みたいに、ああやって社会と距離をおいて暮らすのは。……きっとリスクを避けるため」
「リスクって……どういうこと?」
うん、とひとつ頷いてから、それまで白翔に背負ってもらっていたバックを開けた。中から一冊の童話を取り出し、それを白翔に手渡す。
「絵本?」
白翔は目を瞬きながら本の表と裏をしげしげと眺めた。何度も何度も繰り返し読んだ絵本は、ところどころが擦り切れていて、年季の入ったものだとひと目でわかるだろう。



